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●量や組み合わせをしっかり見る

 では、ここからはお勉強タイムです。

 栄養療法でお世話になったビオトープクリニックの苅部淳先生に、サプリの正しい取り方を教えていただきましょう。

「サプリは薬ではなくて、栄養補助食品です。ですから、まずは食事で栄養をしっかり取るのが大前提。食事で取れていない栄養素を補給するのがサプリなので、自分にどんな栄養素が足りていないかを知らないで取るのは危険です。やみくもにサプリを摂取すると、必要のない栄養素を取って過剰摂取になるだけでなく、有害物質を取り込んでしまうおそれがあることも知っておきましょう」(苅部先生、以下同)

 苅部先生によると、サプリには保存料や着色料などの添加物が入っていても表示されていない場合があり、有用成分を取るメリットよりも不要な成分を取るデメリットのほうが大きくなるおそれがあるとか。

「たとえば甘くて飲みやすいサプリには人工甘味料が入っていたり、黄色く色づけられたビタミンCには着色料が入っていたりします。安価なサプリは、海外の劣悪な環境で作られていたり、保存状態が悪かったりすることもあります。成分が劣化していると、口に入れる段階で、表示されている成分量に満たなくなっていることもあります。また、サプリの中には小麦粉が入っているケースもあるので、小麦アレルギーの人はさらに注意が必要です」

 素人が自分の判断でサプリを購入するのは、危険だったのですね……。

「健康効果が高まったというエビデンスのないサプリは、そもそも飲む意味がありません」と先生。

 量についてはどうでしょう? 先ほど過剰摂取の話が出ましたが、そもそも自分に必要な「量」を把握することって難しいですよね。私は今回、初めてサプリを購入したのですが、購入の際に「含有量はどれくらいか」というのは、実は見ていませんでした。

 私が見ていたのは、サプリの原材料と添加物。飲むタイミングについては、「説明書に書いてあるだろう」と思い、買う時は気にしませんでした。が、結局そんなものはなく! 今更知っても手遅れなのですが、サプリは食品なので、薬のように「飲み方」が書いてある説明書など存在していなかったのです。でも、「含有量」や「飲むタイミング」を知らないと、私のような辛い体験をする可能性もあるわけですよね。サプリは、どのタイミングで、どう取るのが正解なのでしょうか。

2024.01.14(日)
文・写真=にらさわあきこ