オランダ・アムステルダム生まれの「バガブー(Bugaboo)」は、ヨーロッパを中心に世界的に愛されているベビーカーブランド。CEOを務めるアドリアン・ティエリー(Adriaan Thierry)氏にオランダの子育て環境や「バガブー」の目指す未来について伺いました。
遊ぶこと、友達を作ることが最優先
――子供たちに向けての製品を世に送りだしている「バガブー」。オランダは2020年ユニセフ発表の「子供の幸福度」ランキングで第1位ですが、子育て環境において、どのあたりが優れていると思いますか?
オランダの子供たちが幸せだと言われているのは、小さい頃から多くの“自由”を手に入れているからだという気がしています。学校の成績や学業に時間を費やすことが最優先ではなく、“遊ぶこと、友達を作ることが大事”という意識が根付いている。大人たちも、そのための環境を整える努力をしています。
――ご自身も子育てされていると伺いました。
オランダの子育ては、まさにチームワークです。妻と協力しながら3人の子供を一緒に育てました。今、2人が大学生で1人はまだ私たち夫婦と暮らしています。
振り返れば、幼児の時期、思春期などすべてのライフステージで新しく、異なる出来事が起こります。その瞬間、瞬間がかけがえのない時間であり、妻と共に見届けられたことは親として幸せな思い出となっています。
――育児と仕事の両立は大変な面もあるのではないでしょうか。
その時々で一番大切なものを意識的に選択するようにしています。仕事柄、国内外の出張が多いのですが、“今しか経験できないこと”を優先し、できるだけ子育てに参加し、子供たちの成長を見守ってきました。それは決して簡単なことではなかった。育児に真正面から向き合う努力と姿勢が必要でした。
2023.12.28(木)
文=CREA編集部
協力=バガブー