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これまでどんな役でも色気を放出していた

 安田 顕自身は三好、つまりチャラおじさんというキャラについて「これまであまり演じたことのない役」とコメントしていますが、横長で大きい黒目がちの目とヒゲの濃さから、これまでもどんな役を演じている時でも色気を放出していました。

 彼はすでに相当数の作品に出演していて演技力にも定評がありますが、筆者が初めて彼をハッキリ認識したのは、『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(TBS系)で海野亮太という「病を処方する医師」を演じていた時。得体の知れなさ、不穏な雰囲気の出し方がうまく、ただでさえクセが強いキャラばかりの話の中でも強い印象を残していました。

 『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)ではゲイのパティシエという役で、話し方やフェミニンなファッションがごく自然で、本当にそういう人のように見えていたので、この俳優さんは演技が本当にうまいなと感心。

 比較的最近のドラマ、『絶叫』(WOWOW)で演じていた、裏稼業を牛耳っている神代武も、行き場のない主人公を好きなように扱うひどい男なのだけど、どこか憎めない雰囲気と、そしてやはりとてつもない色気を放っていて非常に説得力がありました。

 他にも鬱になった将棋の棋士という難しい役から、アプリで呼び出せる謎のおじさんというよくわからないキャラクターまで、演じた役そのままに見える安田 顕には、今後も期待しかありません。

 ドラマ自体は、年齢だけで簡単にカテゴライズされる女性の生きづらさや、変わりたいと行動していく朱里の奮闘もしっかり描かれていて、見る人を毎週元気にしてくれています。

『セクシー田中さん』

毎週日曜よる22時30分放送(日本テレビ系)
https://www.ntv.co.jp/tanakasan/
Instagram:@ntv_tanakasan

2023.12.01(金)
文=斎藤真知子