よいところ:最大30倍望遠! さらに進化したカメラ機能

 本製品は、最大5倍の望遠レンズを搭載しており、デジタルズームと組み合わせて最大30倍の望遠撮影が行えます。この倍率自体は従来のPixel 7 Proと変わっていませんが、明るいレンズが採用されたことにより、光学ズーム利用時の表現力は向上しているほか、夜景モードの撮影にかかる時間も大幅に短縮されています。

 またPixelシリーズの欠点だった、カメラで連写していると処理が追いつかずにボタンがグレーアウトしてしばらく押せなくなる症状も、大幅に緩和されています。このほか通常の12MPから50MPに切り替えて撮影できる高解像度モード(プロモード)が追加されたり、撮影に使うレンズを手動で選択できるモードが追加されたりと、ズーム倍率自体は同じでありながら大きく進化を遂げています。

 

よいところ:長く使うには最適、7年のセキュリティアップデート

 本製品の大きな特徴の一つに、発売から7年のセキュリティアップデート保証が付属していることが挙げられます。つまり今買えば、2029年暮れまではセキュリティ上問題なく利用できるわけで、買い替えのコストをなるべく掛けずに済ませたい人にとっては、よい選択肢と言えます。

 実のところ、本製品の特徴として製品ページで紹介されている「ビデオ夜景モード」など一部機能は、発売時点ではまだ利用できず、将来の実装が予告されているに過ぎません。それでも長期に渡って使い続けるとなれば、こうしたリリースの遅れも、多少は納得できるというものです。逆にそこそこ長く使わなければ、真髄に触れられない製品と言ってよいかもしれません。

いまいちなところ:カメラには気になる点も…

 前述のように、カメラ機能は従来モデルと比べて細かいところで進化の跡が見られますが、気になる点もいくつかあります。例えばデジタルズームは、無理に引き伸ばしたことが分かるブロックノイズこそ従来より減少しているものの、平面のディティールが飛び、のっぺりと見えるケースがあります。iPhoneのデジタルズームとは真逆の方向性です。

2023.11.20(月)
文=山口真弘