この記事の連載

“清熱”の食材を食べて落ち着かせ、食べるときはよく噛む、五感を使う、を意識して

 胃熱の時、何か自分でできる対処法はあるのでしょうか。

「胃熱の時は、“清熱(せいねつ)” =熱を取る働きを持つ食材を食べると落ち着きます。代表的で手に入りやすいものは、トマト。トマトなら調理せずそのまま食べられるという意味でもオススメですが、その他にも、ナス、ズッキーニ、ゴーヤ(苦瓜)などの夏野菜、セロリなど苦みのある野菜も“清熱”の食材です。

 また果物なら、柿、スイカ、キウイフルーツ、梨、バナナなどが清熱の働きを持っています。生野菜サラダは、通常の状態の時には体を冷やすので控えめにした方がよいですが、“食べても食べても……”のときは、大量でなければ食べてもOKです」(櫻井さん)

 また、本島さんが実践している食事をするときの工夫も、食べても食べても……の状態をやわらげることにもダイエットにもつながります。

「私はもともと食べるのがとても早く、そのせいでなかなか満足感が得られなかったり、同じ時間で人より多く食べてしまっていました。

 でも、調べていくほどに早食いはデメリットしかないことがわかり、やめるために色々な方法を試しました。

 その中でも効果を実感した方法のひとつは“よく噛むこと”。ですが、“*回噛む”、と回数を意識しようとしてもすぐ忘れてしまうので、“固形物が口の中で離乳食ぐらいになるまで”をイメージします。普段早食いの人は、それだけでも噛む回数がかなり増えるはずです。離乳食よりさらになめらかになるくらい、まで噛むのがベストですが、まずは離乳食レベルを目指しましょう。また噛む時に目をつむるという方法も、食べているものの味や香り、口の中に意識を向けやすくて効きますよ」(本島さん)

 また食事をするとき、五感を使うことも大切だそうです。

「食事って、生活の中で一番簡単に五感を一度に感じやすい行為です。目で彩りを見て、鼻で匂いを嗅いで、口と舌で美味しさを味わい、噛む時の音を耳で聴く。また、歯ごたえや舌ざわりは触感につながります。器やカトラリーの温度や手触りも感じられますよね。

 できればテレビやスマホを見ながらではなく、食事を楽しむことに全意識を集中させましょう」(本島さん)

 そうやって少しでも意識を集中させて食事をすることで、満足感、満腹感をきちんと感じやすくなるそうです。

櫻井大典さん(写真右)

漢方家。漢方コンサルタント。国際中医専門員。日本中医薬研究会会員。カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後は中医学を学ぶ。中国での研修を修了し、国際中医専門員A級資格を取得。学んだ中医学の食養生を実践してみたところ、1年で10kgやせて、その後リバウンドもしていない。Twitter(X)で発信されるやさしいメッセージと、簡単で実践しやすい養生法も人気。
Twitter(X):@PandaKanpo

本島彩帆里さん(写真左)

ダイエット・セルフケア美容家。心も体も不安定な万年ダイエッターから、カウンセリングや妊娠出産をきっかけに、心身とも健康的に1年3か月で20kgやせる。痩身サロンでセラピストとして女性の悩みに寄り添いサポートをしてきた経験を活かし、ダイエットや美容情報、ライフスタイルを発信。無理のない心と体のセルフケアが幅広い層に支持されている。著書は累計43万部超で、Instagramのフォロワー数は23万人を超える。
Instagram:@saoooori89

やる気1%から始める やせる養生: 10kgやせた漢方家と20kgやせた美容家が考えた (美人力PLUS)

定価 1,650円(税込)
Gakken
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

← この連載をはじめから読む

2023.11.09(木)
文=斎藤真知子