![月餅は大事な人とシェアして食べるもの。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/1/1280wm/img_513d5b40fe98c44426588cb84012c092163997.jpg)
一年で一番美しいとされる中秋の名月。ことしは9月29日(金)に満月を迎えます。
お月見といったら日本では団子ですが、中国ではこの日を中秋節といい、味わうのは「月餅」、Moon cakeです。
月餅といっても餡も形もさまざま。そこで、おそらく日本一月餅が集まる街・横浜中華街で見つけた、この秋食べたい月餅をご紹介します。秋限定品はもちろん、中華街は通年販売している月餅が多いのも特徴です。
#2では、横浜中華街の取材・偏愛歴が10年以上というフードライター・嶺月香里さんが、味よし見た目よしの贈って喜ばれる&お茶請けにぴったりの月餅をご紹介。
縁起のいい獅子形の月餅は贈り物にも!
◆菜香新館
![「蓮蓉(リンヨン)中月餅 獅子型」360円。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/c/1280wm/img_4cfeadda4158d09e01d69d0fc4e12526187177.jpg)
お月様をかたどった月餅はまんまるの形がベーシックな中(たまに四角い月餅もみかけますが)、こちらは神獣の「お獅子」の形をした月餅です。
「かわいいだけではなく、中の餡はちゃんと蓮の実を使った本格的な蓮餡で、滑らかでいて繊細な餡のくちどけが楽しめます。定番の月餅よりも薄型なので餡が少なめに感じ、日本のお饅頭感覚で味わえるのもいい」(嶺月さん)
![生地と餡のバランスも良好。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/5/1280wm/img_0571e82e5bf484ddcea7c9a7953d5392136299.jpg)
漢方で蓮の実は、滋養強壮やストレス緩和などにいい素材とされています。縁起のいいお獅子の月餅で、夏の疲れをいやしてみてはいかが?
![右上:「双黄蓮蓉(シュウアンファン リンヨン)大月餅」1,200円、左下:「蛋黄蓮蓉(タンファン リンヨン)中月餅」620円。2023年9月29日(金)までの限定。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/d/1280wm/img_1dca6351057ca160fde1de93de9dca90114508.jpg)
中秋節の時期だけ、アヒルの塩卵が入った月餅も販売します。餡は蓮の実と、あずきの黒餡の2種。卵が2個入った大月餅(直径約8センチ)と、1個入りの中月餅(直径約6センチ)が揃います。
「日本人はつい黒餡を選びがちですが、中国本場では薬膳的にもいい蓮餡がスタンダード。蓮餡だけの月餅もよいものですが、塩卵入りは程よい塩気とほくっとした卵黄が蓮餡と交じり合い、独特のおいしさを奏でます」(嶺月さん)
![塩卵が満月のよう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/e/1280wm/img_ce26ad701a533edf17b6ce2d64651f1f23915884.jpg)
あんこに卵を入れるなんて! と食わず嫌いせず、ぜひこの美味を体験してみて。
ちなみに卵が1個入ったものは夜空の月を、2個入りは浮かぶ月と水面に映った月を表現するといわれています。そんなエピソードを披露すれば、お月見もよりいっそう風情が高まります。
![大型店ですが、今も木型を使って1個1個ていねいに手作り。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/a/1280wm/img_4a336848d34edc51cb77c36664ffd6bc102887.jpg)
菜香新館は、日本に飲茶ブームを引き起こしたとされる点心・広東料理の老舗です。月餅のレシピは初代の奥さんの味を今も守り続ける、広東省の正統派の味。油は控えめの製法で、体に沁みいるような優しい甘さが魅力です。
![月餅のクッションも! 中3,300円。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/a/1280wm/img_6a0d693c3246f91b8a2baf38b285639b106249.jpg)
月餅を印刷したかわいいクッションを発見! 3Dプリントなので、あんこの透け感まで再現しているのがすごい。サイズは中と小があって、緑や紫色もありますが、いちばん人気は月餅色の茶色だそう。ほおずりしたくなるほどソフトな手触りが快感です。
菜香新館(サイコウシンカン)
![1階のエントランスに入ってすぐに売店があります。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/1280wm/img_444caed34a3262a00b502720bb3e6884160396.jpg)
所在地 神奈川県横浜市中区山下町192
電話番号 045-664-3155
営業時間 ショップ11:30~21:30
定休日 火曜(祝日の場合は営業)
交通 みなとみらい線元町・中華街駅より徒歩3分
2023.09.27(水)
文=嶺月香里
撮影=鈴木七絵