20年という熟成の時を経て、2004年の季節の色彩を個性として見事に表現したノーブル・シャンパーニュが発売となった。大切な人に贈るため、大切な人とわかち合うために造られるシャンパーニュの魅力を、世界的シェフが語る。
シャンパーニュが完成させるひと皿との美しいハーモニー
最も歴史あるシャンパーニュメゾンのひとつ、ランソン。その商品はシャンパーニュ愛好家のみならず世界中の人々に愛されている。
中でも、グラン・クリュで収穫されたブドウだけを使用し、気候条件等に恵まれた優良年にのみ伝統的なシャンパーニュ本来の製法(ノンマロラクティック製法)で造られる、数量限定のノーブル・シャンパーニュは特別な存在。今年、20年の熟成期間を経て、まろやかな酸や繊細な泡、ピュアな味わいと類い稀なフレッシュさを纏った2004年のヴィンテージが発売された。
「ランソン・ノーブル・シャンパーニュ ブラン・ド・ ブラン 2004」、「ランソン・ノーブル・シャンパーニュ ヴィンテージ・ブリュット2004」について、フランス国内外で最も注目されるシェフのひとり、フィリップ・ミル氏に、その魅力と料理とのマリアージュについて伺った。
「“ブラン・ド・ブラン”はピュアな味わいと心地よい緊張感という長い熟成期間を経たからこそ生まれる厚みを感じます。海の風味=ヨードとの相性がいいので帆立と海藻のサヴァイヨンを。そして、非常に味わい豊かで且つフレッシュさも感じられる“ブリュット”には、その繊細なニュアンスを生かすように、ゆっくり火入れした仔牛のロティを。そして微かに感じるそのアーモンド香に合わせて、アスパラガスにはアーモンドをあしらいました。様々な食材の多様な味わいを、シャンパーニュがまとめて、素晴らしいひとつのハーモニーを奏でるのです」
Lanson’sHistory
仏・シャンパーニュ地方の中心地ランスに1760年創業。260年もの間、厳選されたクリュ、伝統的なシャンパーニュ製法、希少なリザーヴワインのコレクション、セラーでの長期熟成という4つの原則に基づきシャンパーニュ造りを行っている。1860年のヴィクトリア女王時代より英国王室に愛され、ウィンブルドン・テニストーナメントでの公式シャンパーニュとしても親しまれる。十字のロゴ=ランソンクロスは、よき仕事への熱意と周囲への思いやりを表すシンボル。
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2023.09.11(月)
文=齊藤素子
写真=牧田健太郎