実力派声優・入野自由が小説「百花」を朗読！小説の“ボイス”とは何か？著者・川村元気と声を探す

CULTURE

2023.5.19

視点のきりかえを、朗読ではどう表現する？

入野　難しいです。声に出して読んでみると、どの立場にたっていいのか。どうしても自分は、映画で菅田将暉さんが演じた泉の役にたってしまいそうで。

川村　小説は基本的に泉の三人称単視点という書き方です。全体は泉の目線で書いてあるわけだけど、突然百合子の日記が登場する。ここは本では切り替わったのがわかるように、書体を変えて表現しています。まるで母親の目線にカメラが移動しちゃう感じ。その日記の部分を百合子の声でいくのか……。泉が日記を読んでいるという立ち位置でいくのか……。

入野　泉の立場ではありつつも、読むときは、やっぱり百合子の声になっていくのかなと思うんですけど……。

川村　そっちのほうがおもしろいと思うんですよね！　泉のトーンで世界を作っているのに、途中で百合子の世界が突然入ってくるほうが、おもしろいかなって。

入野　小説を読んでいても、あの日記の部分にハッとしたんですよね。書体が変わる部分は切り替わりを表現したいですね。

川村　ひとつヒントを出させていただくと、日記に書いてあることはすべて本当ではないかもしれない、ということです。日記はとても主観的なものだから、そこに書いてあることは嘘が混じっているかもしれない……。

入野　もしかしたら、日記を書いていた期間は、百合子の長い夢だったかもしれないんですね。

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入野自由

東京都出身。声優、俳優、歌手。2001年『千と千尋の神隠し』「ハク」役で脚光を浴びる。『機動戦士ガンダム00』シリーズ、『言の葉の庭』、『おそ松さん』、『聲の形』などで活躍。舞台の代表作には、『ETERNAL CHIKAMATU』、『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『管理人』、『夜叉ヶ池』などがある。

川村元気

1979年神奈川県生まれ。フィルムメーカー、小説家。2012年に初の小説『世界から猫が消えたなら』を上梓。他著に小説『億男』『四月になれば彼女は』『神曲』、対話集『仕事。』『理系。』など。昨年公開された映画『百花』では原作・脚本・監督を務め、サン・セバスチャン国際映画祭にて最優秀監督賞を受賞した。

●Audible「百花」●

【ストーリー】
現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。
「あなたは誰？」
徐々に息子の泉を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく泉。
ふたりで生きてきた親子には、忘れることのできない“事件”があった。
泉は思い出す。かつて「母を一度、失った」ことを。
母の記憶が消えゆく中、泉は封印された過去に手を伸ばす──。

【発売情報】
人気声優の入野自由さんが朗読するAudible「百花」は、2023年5月19日（金）リリース予定。
https://www.audible.co.jp/pd/B0BCD5R6H5

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概要

応募期間	2023年5月19日（金）17:00頃～2023年6月9日（金）23:59 ※2023年6月9日（金）23:59までにリツイートされたものが抽選対象になります。
賞品	入野自由さん＆川村元気さん直筆サイン入り文庫本『百花』
当選人数	1名様
応募方法	CREAのTwitter公式アカウント（@crea_web）をフォローし、2023年5月19日（金）17:00頃に投稿されるキャンペーン情報を、こちらの記事への感想コメント付きでリツイートしてください。