◆八甲田の樹氷

 寒さの厳しい冬の八甲田山では、例年1月から2月にかけて巨大な樹氷群が見られ、その規模や豪快さは日本一といわれる。

 「樹木が雪と氷で覆われて大きく形作られる樹氷は、冬の八甲田を代表する芸術品。八甲田山に多く植生するアオモリトドマツに、雪と氷ががぶつかりながら徐々に大きく成長し、やがて『スノーモンスター』と呼ばれる大きな樹氷になります。

 八甲田ロープウェーから眺める樹氷は感動的ですし、樹氷の間をぬってスキーやスノーボードで滑走するのも大変魅力的です」(豊川さん)

八甲田の樹氷(はっこうだのじゅひょう)

所在地 青森県青森市荒川寒水沢1-12(八甲田ロープウェー)
http://www.hakkoda-ropeway.jp/nature/autumn_winter

◆尻屋崎に生息する寒立馬

 津軽海峡と太平洋に面する尻屋崎周辺では、極寒にも耐えられるという県の天然記念物の寒立馬が1年中放牧されている。

 「春から秋にかけて寒立馬は、尻屋崎の茂みの中などを寝床に自由に過ごしていますが、1~3月の厳寒期は防風林で囲まれた越冬放牧地『アタカ』に移動し、春が訪れるのを待ちます。

 雪に埋もれた草地の上で厳寒にじっと耐える姿が人々の心を強く惹きつけ、この姿を見るために多くの方が訪れています」(豊川さん)

尻屋崎に生息する寒立馬(しりやざきにせいそくするかんだちめ)

所在地 青森県東通村
https://aptinet.jp/Detail_display_00000049.html

2022.12.13(火)
文=佐藤由樹