三味線が強い望郷系はテンション上がる!

●「帰ってこいよ」(松村和子)

 誰も興味がないだろうが、私のカラオケの十八番である。最初から終わりまでハイトーン&ハイテンションなので、こめかみに血管が浮きっぱなし。これを、感情を込めて歌いふるさと感までガッツリ出してくる和子様リスペクト!

●「望郷じょんから」「北酒場」(細川たかし)

 北島三郎とフェス演歌の双璧を成すのが、神から与えられしハイトーンボイスとこぶしを持つ男、細川たかし。「望郷じょんから」と「北酒場」どちらか一つ選べと言われても無理! 紅白スタッフも同じ気持ちだったのか、昨年はこの2曲のメドレーで出場されていた。でもメドレーじゃ物足りないんだよ!

●「浪花節だよ人生は」(木村友衛)

 この歌は細川たかしさんも歌っておられるが、敢えて木村友衛さんバージョンを推したい。木村さんの「馬鹿なッ」のガナリが国宝級。この部分だけで、ものすごく大馬鹿な出会いで恋をしてしまい、散々尾を引くストーリーが予想できる。同時に「それでも好きが止められない」という自分への憤りと諦めまで思わせる!

●「じょんから女節」(長山洋子)

 「いよっ! 姐さん!」そう掛け声をかけたくなるような、粋な長山洋子さんにクラクラ。三味線を構え、ジャンカジャンカと踊りながら叩き弾く姿は、キレッキレのナイフのようである。聴いていると猛烈に彼女から三味線を習いたくなる。

●「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)

 1977年発売。この曲を45年歌い続ける石川さゆりさんのルックスと声が、常に旬ということにビックリする。何百回と聴いているのに、毎回感動するってどういうこと!

2022.10.06(木)
文=田中 稲