引退のタイミングも必然だった

ケイ子 「1歳運」のある村上さんは21歳でステージが上がるので、その前後に変化が起きるんですね。18歳、19歳と苦しんで、20歳の時に3段4段飛ばして一気に飛躍が訪れる。その結果が、オリンピック出場、四大陸選手権優勝という結果ですね。そして23歳になる17年が、60年に一度のリスタートを切る年になっています。

村上 え、本当ですか! 今、ものすごく鳥肌が立ちました。ちょうど引退の時ですね。

ケイ子 4月に引退されていますね。そのときは、どなたかに相談されましたか?

村上 いえ、完全に自分だけで決めました。というか、その前からそこを引退のタイムリミットと決めていたんです。

ケイ子 それが60年に一度、全く違う人生がここから始まるというタイミングでした。その後、20代で責任感を持つ、スポットライトが当たると出ています。20代で芸能界のお仕事をされるというのは、現役時代とはまた違う注目のされ方でとてもいいですね。

村上 すごい。私、知らず知らずのうちにベストな生き方をしてきたんですね。

ケイ子 そして、次の天中殺が24年から25年に訪れます。30歳から31歳の頃ですね。この天中殺では、前回同様、自分のまわりでいろいろなことが起きて、その渦に巻き込まれる感覚があると思います。ですから、まずそれに向けて土台を作っておくことが重要ですね。ちなみに私は、今年あたり運命の人に出会うんじゃないかと思っているんですが。

村上 え、恋愛ですか?

ケイ子 はい。宿命の中に運命の人がいるんです。出会ったら、「あ、この人だ」ってわかると思いますよ。今年、スピーディにいろいろなことが決まってもおかしくないですね。たとえば数カ月で結婚とか。

村上 えー、本当ですか。運命の人、まだ出会っていないんでしょうか?

ケイ子 去年の夏以降に出会っている可能性もあります。もしくは今年いっぱい出会う人。今年は格が上がる星があって、責任ある立場になったり、リーダー的な立場としてプロジェクトを起こしたりするのにいいんですが、その中に「結婚」という一つの責任があってもおかしくないと思っています。

村上 はあー、なるほど。(囁くように)結婚……。

ケイ子 20年から21年あたり、結婚したくて仕方ないという星が来ていましたがどうでしたか。

村上 え、なぜそれを! もうバレてるんですね(笑)。そうです、しばらく恋愛していないのでドキドキする感覚も忘れちゃってて……今ものすごく恋愛がしたいんです!

ケイ子 天中殺前までに落ち着きたいところですね。よく、一発芸人と言われる方が一発芸をヒットさせるタイミングは、天中殺が多いと言われるんですが、自分でコントロールできないことが起こるので、思いがけないチャンスがめぐってくることもあるんです。けれども長くは続かないですし、思ってもみないほど下に行っちゃうこともあるので要注意です。

村上 もしそのときまでに結婚していたら、子どもを持つ可能性もありますね。私、3歳から、まとまった休みといえばコロナ時期くらいしかなかったので、そこでゆっくりできたらそれもいいのかもしれません。

ケイ子 天中殺は、言い換えると原点に立ち返る2年間でもあります。決して悪いものではなく、人生をシンプルに考えられるようになる出来事が起きる時期でもあるんです。今現在は、どのような仕事をしたいと考えていますか。

村上 フィギュアスケーターでこういうお仕事している人はあまりいないと思うので、これが私にしかできないことかなと感じています。ただ、バラエティやお芝居にももっと挑戦したいし、コメンテーターやスポーツの解説もやりたい。村上佳菜子にしかできないことを、高いクオリティで発揮していきたいと思っています。

ケイ子 その中でも今年は品格の星があるので、格の上がるような仕事をしていくといいですね。仕事上で、格上の人とつき合うのもいいことです。

村上 コメンテーターの仕事は増えた気がします。スケートでも、これまでとは違ったかかわり方ができるかなと期待しているところです。

ケイ子 上を目指してチャンレジを続けると、今後、業界を牽引していく責任ある立場に近づいてゆくかもしれません。

村上 私の目標として、もう一段階上の場所に行きたいというのがあるんです。現役時代から私はいつも2番手3番手だったので、輝ける場所にいきたい、そこに仲間入りしたいという気持ちがあったんですね。

 でも、実際に一番になると急におどおどしちゃう。真央ちゃんや鈴木明子ちゃんがいたことで頑張れたというところがあって、ひとりでは戦っていけないタイプだったので、そこを克服したいと思っています。

ケイ子 31歳からの30代は、お金と愛情と家庭がテーマになります。2026年、32歳のころから、仕事面では3段階くらい駆け上がることができそうですね。同時に奉仕の精神が芽生える時期で、社会問題にかかわるようになるかもしれません。保護犬の活動をしたりするのもいいですね。

村上 そうですか。今、犬を2匹飼っているんですけれど保護犬だったんです。

ケイ子 いい意味での庶民感覚をお持ちなので、決して上から目線ではなく社会問題に関わることも30代のテーマになると思います。そして、アートやファッションなど、感性の活かせる分野とも相性がいいですね。

村上 私、ずっとスポーツファッションのブランドをプロデュースしたいと考えているんですがどうでしょうか。

ケイ子 ファッションとの相性はとてもいいですね。ただし天中殺の間は新しいことを始めないほうがいいので、いろいろな話が来るかも知れませんが、正式なスタートはそれ以降にしたほうがいいでしょう。とくに32歳はチャンスと人脈が回る1年間なので、いいスタートが切れるはずです。

村上 昔からスケート靴と一緒にファッション雑誌を持ってリンクに通っていたくらいファッションが好きだったんです。でも、いつも下に練習着を着ているからおしゃれをする余裕はなくて。

 ルルレモンとノースフェイスが好きですね。長年スポーツに携わってきたことを活かして、機能性とファッション性が両立したようなものを作れたらいいなと考えています。

ケイ子 本格的なスタートはまだ先としても、今年はトントン拍子で仕事の話が進みやすいので、たとえばブランドにタイアップの話を持ちかけたりするといい線までいけるかもしれませんね。赤ちゃんの星を持っている人は、やりたいことをいろいろな人に話しておくと実りやすいんです。

村上 そうなんですね、あと、飲食系はどうでしょうか。父親が飲食系の仕事をしているので、将来的に名古屋の喫茶店のようなカフェを東京でやりたいと思っているんです。今の仕事を続けたまま、オーナーという形になると思うんですが。

ケイ子 サービス業や飲食業も相性がいいですよ。人が集まる場所を作るのはとても上手です。ただし、同じことを長く続けるのは苦手なので、自分が舵を取らないこと。実際に運営するのは他の人に任せた方がよさそうです。

村上 あ、やっぱりそうですか。でも、まだ先がいいですよね。

ケイ子 そうですね。この2年間は今の仕事で自分の土台を作るのに集中するのがいいと思います。その一つに結婚があってもいいんですが、恋愛ばかりに意識がいかないように。

2022.05.04(水)
文=嵯峨崎文香
写真=深野未季
イラスト=中村桃子