38年経っても色あせない清麗なモダニズム
◆土門拳記念館
[ 設計:谷口吉生、設立:1983年(山形) ]
週末には家族連れが長閑に過ごす、山形県酒田市の飯森山公園に佇むモダニズム建築。
戦後に活躍した報道写真家、土門 拳の記念館として作られ、設計を担ったのは、のちにニューヨーク近代美術館新館などを手掛けた谷口吉生氏。
低層の建物は砂丘の一部である飯森山の延長に作られた人工池が目の前に広がり、中庭から見ると水面とシームレスとなった景色に心打たれる。
作品を保護するため、主要展示室には自然光を遮断する必要があり、窓をなくし一部を土中に埋めて空間を作り出した。
土門と親交があったクリエイターたちの参加も見どころのひとつ。彫刻家イサム・ノグチの作品が中庭に配され、草月流三代目の勅使河原宏が手がけた外に広がる枯山水は、光が射し込む企画展示室から愛でることができる。
所蔵されている約7万点の土門作品は、定期的に開催される展示会で披露。彼がライフワークにしていた古寺巡礼をはじめ、永遠の名作が気づきを与えてくれる。
土門拳記念館
(どもんけんきねんかん)
所在地 山形県酒田市飯森山2-13
電話番号 0234-31-0028
開館時間 9:00~17:00(最終入館 16:30)
休館日 無休(12月~3月は月曜休、祝日の場合は翌火曜休)
料金 700円
http://www.domonken-kinenkan.jp/
撮影=嶋崎征弘(伝統芸能伝承館 森舞台、マルホンまきあーとテラス)、志水 隆(青森公立大学 国際芸術センター青森、土門拳記念館、鶴岡市立加茂水族館)、佐藤 亘(こども本の森 遠野)