庄内の海を水槽で再現曲線美が印象的な水族館
◆鶴岡市立加茂水族館
[ 設計:日本設計、設立:2014年(山形) ]
山形県鶴岡市の海岸線にひときわ目立つ流線形の建物は、世界的にも珍しいクラゲの水族館。
加茂の海に浮かび回遊するクラゲをイメージし、横から見ると滑らかな弧が生物的な優しさを、海近くからだと円錐形の迫力ある印象を与え、眺める角度によって様々な表情を見せる。
館内は総延長約265メートルの動線を一筆書のように繋がりがある展示スペースを配し、コンパクトに収めた。
展示のメインとなる直径5メートルの大型水槽は、いかにしてクラゲが美しく浮遊する姿を表現できるか、試行錯誤を重ねたという。
まずは2メートルの水槽でクラゲの餌であるアルテミアの動きを実測し、そのデータを基に水槽内の流量・流速・指向性を検証。まるで海中にいるような理想的な“流れ”を生み出すことに成功した。
照明の光の中に浮かぶクラゲは神秘を帯び、ただただ見ていたくなる美しさ。他にも色、形が多種多様なクラゲが数多く展示され、“自然界が生み出したアート”に心動かされる。
鶴岡市立加茂水族館
(つるおかしりつかもすいぞくかん)
所在地 山形県鶴岡市今泉大久保657-1
電話番号 0235-33-3036
開館時間 9:00~17:00(最終入館 16:00)
休館日 無休
料金 1,000円
https://kamo-kurage.jp/
撮影=嶋崎征弘(伝統芸能伝承館 森舞台、マルホンまきあーとテラス)、志水 隆(青森公立大学 国際芸術センター青森、土門拳記念館、鶴岡市立加茂水族館)、佐藤 亘(こども本の森 遠野)