架空の街があるような自由な発想の新シンボル

◆マルホンまきあーとテラス
[ 設計:藤本壮介、設立:2021年(宮城) ]

 絵本から飛び出してきたかのような、家や煙突を組み合わせた街並みを彷彿させるシンボルが、石巻市郊外に誕生した。

 「東日本大震災で被災した文化施設の再建であることから、地域の方々に愛着を持っていただくことを大切にしました。子どもでも絵に描けるような記憶に残る風景になるように」と建築家の藤本壮介氏。

 館内は多目的ホール、地域の活動室やギャラリーなどの多目的施設が複合し、“多様なものが集まった群れ”として、見事な調和を成している。

 約170メートルの細長いロビーは、天井高が最も高い所だと約26メートルあり、いくつもの窓からは日がたっぷりと注ぎ、開放感に満ちている。

 天井は三角屋根の勾配を生かしたり、フラットだったりと場所によって異なり、空間に抑揚を作り出している。

 表情豊かなこの場所に、2021年11月3日(水)に博物館がオープンし、今後も地域と繋がりのある作品が展示される予定。創作の新たな発信地として、ますます注目を浴びそうだ。

マルホンまきあーとテラス

所在地 宮城県石巻市開成1-8
電話番号 0225-98-5630
開館時間 9:00~22:00
休館日 月曜(祝日の場合は翌日休み)
https://makiart.jp/

撮影=嶋崎征弘(伝統芸能伝承館 森舞台、マルホンまきあーとテラス)、志水 隆(青森公立大学 国際芸術センター青森、土門拳記念館、鶴岡市立加茂水族館)、佐藤 亘(こども本の森 遠野)