エンタメの力を改めて確認

城田 昨年、コロナ禍で予定していた「IMY歌謡祭」が延期になったのですが、10月にようやく舞台で歌えたときに、改めて、エンターテインメントでしか届けられない力があるのを実感しましたね。

松也 エンタメはやっぱり力がありますよね。緊急事態宣言下で外に出られない時期を乗り切れたのも、Netflixなどの作品の数々があったからだと思います。

城田 衣食住にはかなわないかもしれないけれど、エンターテインメントにしか救えないものはあります。いわば心の栄養みたいなもの。また、劇場型のエンターテインメントは舞台から何かを伝えたときに客席から(感動の)ボールを投げ返してくれるお客さんたちがいて初めて成立するものです。

山崎 本当にそうだよね。

松也 無観客でホームランは打てないもんね。

ミュージカル映画から得たもの

城田 これまでに衝撃を受けたエンタメといえば『天使にラブ・ソングを・・・』ですね。2もあるけどやっぱり1作目がいい。

山崎 あの映画はいいよね~。僕は映画の『レ・ミゼラブル』かな。ものすごく贅沢な手法で作られているミュージカルなんです。

松也 僕が一番好きなのは『スタンド・バイ・ミー』かな?

城田 ♪When the night~(小声で歌い始める)

松也 リヴァー・フェニックスの大ファンになりました。自分と同じくらいの年であんな芝居ができるんだと、初めて観たときに衝撃を受けました。ミュージカル映画なら『レント』、それから……。

山崎 1本でいいの! (城田に)歌わなくていいの! すみません。僕らいつもこんなノリなんです(笑)。

山崎育三郎(やまざき・いくさぶろう)

1986年1月18日生まれ、東京都出身。2007年ミュージカル「レ・ミゼラブル」でマリウス役に抜擢される。ドラマやラジオパーソナリティとしても活躍。現在大河ドラマ「青天を衝け」(NHK)に出演している。シングル「誰が為」が発売中。

尾上松也(おのえ・まつや)

1985年1月30日生まれ、東京都出身。’90年に2代目尾上松也を名乗り初舞台を踏む。2015年より「新春浅草歌舞伎」にて若手を率いる。ミュージカルや劇団☆新感線の舞台、ドラマなどでも活躍。主演映画に『すくってごらん』(’20)。

城田 優(しろた・ゆう)

1985年12月26日生まれ、東京都出身。テレビ、舞台、音楽など幅広く活躍。近年はミュージカル作品の演出も手がけ、米倉涼子さんとの共同プロデュースによる「SHOW TIME」を上演。ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(TBS)に出演中。

●3人が心動かされたミュージカル&音楽系映画

山崎育三郎さん
『レ・ミゼラブル』

「ミュージカル映画の歌は普通、別録りですが、この作品は芝居の延長として俳優が歌い、後から演奏を重ねています。歌と芝居の理想的な融合に感動します」

Blu-ray 2,075円 DVD 1,572円 発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント


尾上松也さん
『RENT/レント』

「この映画を観てから、ミュージカルってやっぱりいいなと思いました。めちゃくちゃ泣いた記憶があります」1989年のNYを舞台にした若者の群像劇。

Blu-ray 2,075円、DVD 1,572円 発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント


城田優さん
『天使にラブ・ソングを・・・』

「ストーリーも爽快だし、讃美歌をアレンジした歌がなにより素晴らしいです。小学生のときにテレビからカセットテープに録音してサントラを作ったくらい好きでした」

ディズニープラス(ディズニー公式の動画配信サービス)で配信中。

舞台「あいまい劇場 其の壱『あくと』」

キムラ緑子、皆本麻帆らを客演に迎え、4話で構成されたオムニバス作品を上演。

脚本:福原充則、城田優 演出:成河 音楽監督:桑原まこ 出演:山崎育三郎、尾上松也、城田優ほか
2021年11月20日(土)~12月5日(日) EXシアター六本木
https://imytheater.com/

2021.09.27(月)
Text=Tomoko Kurose
Photographs=Takuya Nagata
Styling=Go Momose
Hair & Make-up=Miho Matsubara〈Yamazaki〉,Yasunori Okada〈Onoe〉,Emi Hanamura(MARVEE)〈Shirota〉

CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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