「第44回日本アカデミー賞」授賞式が3月19日(金)に行われ、内田英治監督の『ミッドナイトスワン』が最優秀作品賞を受賞。また、本作で主演を務めた草彅剛が最優秀主演男優賞を受賞した。『ミッドナイトスワン SPECIAL CINEMA BOOK』に掲載された草彅のインタビューを一部抜粋する。

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 草彅剛さん主演映画『ミッドナイトスワン』が9月25日(金)に公開される。本作は自身の集大成だと語る草彅さん。撮影中は、今まで体験したことのなかった感覚にも囚われたという。

 嘘をついてきた──わけではない。

「最高の作品です。ぼくにとっての代表作になると思います」

© 渞忠之
© 渞忠之

 主演するドラマ、映画が公開されるたび、草彅剛は幾度となく、そんな意味合いの言葉を口にしてきた。

「いや、ホントに毎回自分の代表作だと思ってやってるんですよ。嘘偽りは一切なし」

 それは本音でもあるだろうし、ひょっとしたら、制作の労苦をともにした仲間たちへの労りなのかもしれない。なにしろ、「いいひと。」で知られている草彅剛である。

 さて、この『ミッドナイトスワン』は、彼に言わせれば「自分の集大成」なのだという。

© 2020 Midnight Swan Film Partners
© 2020 Midnight Swan Film Partners

「新しい地図を始めて3年目ということもあるし、以前とは違った、新しい環境での映画じゃないですか。なんかこう、自分の中に溜まったパワーみたいなものを出せたんじゃないかなと」

 これまでもそうしてきたように、彼は作品と、作品に関わったすべての人たちに賛辞を贈っている。そこまでは、いつもの草彅剛である。

 

 ただ、この『ミッドナイトスワン』の撮影で、彼は役柄を演じる仕事を始めてから体験したことのなかった感覚に囚われたという。

© ​2020 Midnight Swan Film Partners
© ​2020 Midnight Swan Film Partners

「考えて演じるのをやめようと思ったんです。何も考えず、セリフ忘れちゃったらそれでいいや、ぐらいの気持ちでやってました。相手の目を見て、それでセリフが出てきたら言おうって」

 実は、クランクインの直前まで、彼はまったく正反対のことを考えていたという。

「久しぶりの映画だし、台本を読んですごく難しい役だってこともわかってる。ここはひとつ、イイところ、カッコイイところを見せちゃおうかなって。こういう役を演じきれたら、またみんなから褒められちゃったりするのかな、とか妄想したりね」

 だが、新宿で始まった最初の撮影で、考えは変わった。ねじ曲げられた。

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 このインタビューの続きは、『ミッドナイトスワン SPECIAL CINEMA BOOK』で楽しみください。

2021.03.28(日)
文=金子達仁