コーヒーと共に楽しみたい
絶品イートインメニュー

 お菓子をご紹介しましょう。

 持ち帰りや通販もありますが、何といってもお店でしか食べられないイートインメニューに注目です。

 「2種のチーズケーキとイチゴのパフェ」は、ベイクドチーズケーキとクレームダンジュの2種類のチーズケーキが一度に味わえる贅沢な一品。

 ベイクドチーズケーキの底に敷くクランブルのキャラメリゼの甘さ、カシスとブルーベリーのソースの酸味がアクセント。メレンゲもトッピングされて、様々な食感、風味が楽しい。

 イチゴは季節限定で、なくなると他のフルーツになります。

 「プリン・ア・ラ・モード」は、北坂養鶏場の卵を使った固めのプリンが主役。

 どこか懐かしい味わい。ほろ苦いカラメルソースとプリン本体の甘さが絶妙です。

 トッピングのバナナの断面をわざわざキャラメリゼするこだわりがうれしい。

 イートインの「クレームダンジュ」は、まるでレストランのデザートのような皿盛り。

 グリオットチェリーのソースのしっかりした酸味が、生チーズの優しい風味を際立たせます。さわやかで、クセになるおいしさ。

 同じくイートインの「熟成チーズケーキ」は、生クリームとカシスのソースを添えて。

 ソースは季節で色々変わります。口の中ですうっと消える、はかない口溶けを堪能。

 「家では食べられないスタイルで味わってほしいんです」と赤松さん。

 まずはそのままで、次に自家製のソース、生クリームを付けて味わえば、ひとつで二度おいしい。

 スイーツに合うように赤松さんはコーヒーも厳選。地元・兵庫区湊川にある土鍋自家焙煎の「tent-coffee(テントコーヒー)」の豆をペーパードリップで。

 香り高くコク深いのに軽やか。チーズケーキによく合います。

 「椅子席が2席しかなくて」と赤松さん。カウンター席で立ったまま食べるお客さんも多いのだとか。

 友人宅でおしゃべりしながらのスイーツタイムといった気軽さもいいのです。

 「小さい頃、ヒヨドリの雛を拾って14年も飼ったんです。自分の店には“鳥”を付けたいと思っていた。そして、甘いお菓子はゆっくり食べてほしい。ゆっくり歩いていきたいという思いも込めて、歩く鳥と名付けました」と赤松さん。

 チーズケーキは全国発送していますが、季節に合わせて、僕がおいしいと思うフレッシュケーキを色々作り、出していきたいと思っています。お店では、できたてのデザートを食べてほしい。コーヒーも合わせて楽しんでもらいたいです」。

 隠れ家パティスリーで、甘い密やかな時間を満喫しましょう。

PATISSERIE ET… ARUKUTORI(歩く鳥)

所在地 兵庫県神戸市兵庫区島上町2-2-22-2F
電話番号 078-381-6163
http://arukutori.com/

宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2019.05.26(日)
文=そおだよおこ
撮影=坂上正治