ビールもコーヒーも究める
おたく気質の街

ウエリントン国際空港では大鷲に乗ったガンダルフが天井に。

 中心部の東、地峡部でつながったミラマー半島は、映画『ホビット』シリーズや近年では『ゴースト・イン・ザ・シェル』など、特殊撮影の制作会社ウェタ・ワークショップの拠点。そのためウエリントンは “ウェリウッド”との異名も取っています。

地元産のクラフトビールが多数。大胆なフレーバーに出会うことも。

 特殊撮影のように、精密かつ道を極める作業を得意とするのが、どうやらウエリントニアンの気質のよう。たとえばクラフトビール。街に点在するブリュワリーの中には昆布やかつおぶしを使った「ウマミ・モンスター」など、奇想天外なフレーバーを生み出すところも。

ハバナ・コーヒー・ワークスは、ウエリントンのコーヒー文化を盛り立てた火付け役的存在。

 コーヒー文化も、今のカフェのスタイルが誕生したのは、25年前。それが2014年にはCNNの“世界のベスト・コーヒー・シティ8選”にランクインするほどに。とことん追求する、いい意味で“おたく”な姿勢のたまものでしょう。

ライアルベイのライフセービングクラブの2階にあるマラヌイ・カフェ。
早朝のマラヌイ・カフェは出勤前に朝食をとるウエリントニアンで賑わう。

 ウエリントンは文字通り、海が暮らしのすぐそばにあります。中心地のラムトン港の東にはオリエンタルベイビーチ。ミラマー半島の地峡部分の住宅街にライアルベイ、そして半島の北東には穏やかなスコーチング湾。

 それぞれのビーチに雰囲気のいいカフェがあり、コーヒーをいただきながら、海を愛でることができます。

 そしてウエリントンの南海岸には、なんとオットセイたちが暮らすビーチがあります!

2018.02.10(土)
文・撮影=古関千恵子