Q1 ニッチェ・江上敬子さんが「夜ふかしマンガ大賞に推薦するマンガ」は?
◆第1位『ふたりバス』豊林サカネ/小学館
町全体で人口約3000人の「ど」がつく田舎に暮らす春平。同級生で唯一、私立中学に進んだあんちゃんとふたり、同じバスで通学しています。1学年19人の学校に通いながらいつも暇そうな春平と、おしゃれでキラキラした学校に通いながら勉強中のあんちゃん。小学校以来会話がなくなっていたふたりに、ある日久々に話すきっかけが生まれ……?
江上さん推薦コメント
「私も田舎出身なので、田舎バスあるあるがささりまくりな作品。純粋すぎるふたりの関係がどうなっていくのか、バスの運転手になった気持ちで読んでます(笑)」
◆第2位『復讐がたりない』冬野梅子/講談社
小さなIT企業に勤める復田朱里。心の奥底に秘めた暴力性は隠したまま、社会に適応し善良に生きている。そんな中、同僚の女性の退職理由が社内における「性被害」だったと知らされ、くすぶっていた心と体の炎が燃え上がっていく――。
江上さん推薦コメント
「ゆるい絵柄からは想像もできないようなテーマや展開に、背筋ゾクゾクで読み進めました」
◆第3位『午前5時のレコード』廾之/KADOKAWA
耳が良すぎることが原因で、あまり良い思いをしてこなかった暮方万(くれかた ばん)。そんな耳を初めて肯定する東雲日乃(しののめ ひの)。日乃は自作アニメの制作協力を万に持ち掛け――。
江上さん推薦コメント
「耳が良すぎる主人公という設定なので、音楽の漫画かなと思って読んでいくと、まさかの展開にびっくりしました。今後のストーリーが気になるし、スピード感も良く、前のめりで読んでいける作品です」
Q2 これまでに読んだすべての作品の中から、いま、あらためて夜ふかしして読みたい作品は?
◆近藤さん:『BANANA FISH』吉田秋生/小学館
1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え……」と言い遺して息を引き取る。ベトナム戦争で出征した際、麻薬にやられて正気を失ったままの兄グリフィンの面倒をみていた彼は、兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じことばを聞き、興味を抱く。
近藤さん推薦コメント
「今も色褪せない名作。少女漫画で連載されていたとは思えないほど、極上のハードボイルドサスペンス。もはや漫画の可能性を最大値を感じる読後感。もしまだ読まれていない方がいたら必ず読んでほしい漫画です」
◆江上さん:『真夜中ごはん』イシヤマアズサ/宙出版
食べるのが大好きなアラサー女子の、仕事の後の楽しみは、家でまったりひとり夜食。太るのを気にしながらも「夜中だろうとピザにはチーズをたっぷりかけねばならんのだ!」と作るナスのとろ~りピザ、マヨネーズをたっぷり絞った秋鮭のホイル焼などを、おいしくいただく。読めば食べた気分になれる夜食コミックエッセイ。
江上さん推薦コメント
「発売当初にジャケ買いで購入して、何度も読み返している漫画です。とにかく絵が温かくて、ご飯もおいしそうで、私にとっては絵本のような存在。寝る前に読むと、おいしい夢をみられそうです」

CREA 2026年秋号
2026年9月7日
定価 980円(税込)
文藝春秋
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