タイの首都バンコクでは、名門ラグジュアリーホテルのリニューアル・新規開業が続いている。今回は、プールヴィラがあるデザインホテル「ザ サイアム」をはじめ、「フォーシーズンズ バンコク」「カペラバンコク」の、チャオプラヤー川沿いに立つ3軒をご紹介する。
アンティーク美術館のようなホテル「ザ サイアム」
バンコクの下町、王宮にほど近いデュシット地区。チャオプラヤー川の畔(ほとり)に約3エーカーの緑地を抱く「ザ サイアム」は、都会にありながらもリゾートのような静けさに包まれた川辺のブティックホテルだ。
2012年、タイの人気ミュージシャンで俳優のクリサダ・スコソ・クラップが、一族が受け継いだ土地に自身のアンティークコレクションを収めるために創ったホテルだ。設計を手掛けたのは、アジアを代表する建築デザイナー、ビル・ベンスリー。同じアンティーク愛好家として意気投合し、設計を請け負うことになったという。
館内は、白と黒を基調とした1900年代初頭のアールデコ様式とタイの王宮文化、それらを彩る熱帯の緑が調和した独創的な空間だ。そこに25,000点を超える骨董や美術品がさりげなく配され、まるで美術館のよう。2020~2024年には全面改装も行われた。
客室数はわずか38室で、すべてがスイート。そのうち10棟はプライベートプール付きのヴィラだ。敷地の40パーセントをパブリックスペースに充てた、贅沢な造りとなっている。
館内には、レコード鑑賞ができる音楽室や大画面で映画を楽しめるレトロな試写室、ムエタイ体験用のリングなど、遊び心あふれる施設がある。
ホテル所有の船でサンセットクルーズに出かけるのも楽しい。19世紀の古典技法「コロディオン湿板写真」で写真を撮れば、世界にたった1枚の色褪せない肖像写真を滞在の思い出として持ち帰ることができる。
