東京観光公式サイトでも街歩きコースとして紹介され、外国人観光客も訪れるようになった谷中・根津・千駄木の通称“谷根千エリア”。その中核となる谷中銀座商店街には今や約60店が軒を連ね、食べ歩きもできる下町グルメの宝庫です。
近年はグルメ誌でも谷根千特集が組まれるなど、“おいしいもの目当てに散策したい街”としての注目度も上昇中。なかでも注目したいのが、地元民に古くから愛されている精肉店で売られている出来立てのメンチカツやコロッケたち。
今回は、暑さが本格化する前の初夏の今、街歩きの途中でぜひとも立ち寄ってもらいたい、谷根千の揚げ物食べ歩きスポットをご紹介します。
地元民に愛される揚げたて惣菜を求めて
◆肉の寺島(寺島商店)
最初に紹介するのは、地下鉄千代田線根津駅の不忍池方面出口のほど近く、特徴的なコック姿の豚の人形や木彫りの豚が出迎えてくれる、創業1929年の「肉の寺島」です。店内には中央の調理場を囲むように作られた大きなL字カウンターがあり、新鮮かつ珍しいブランド牛や豚がズラリと並んでいます。
その一角にあるのが揚げ物のショーケース。そこに貼られている豊富な商品名の数々とは裏腹に、実際に並んでいる揚げ物が少ないことに最初は驚くかもしれません。しかし、そこにはお客さんのことを思った気遣いが込められていました。
「ウチは注文を受けてからなるべく揚げるようにしているので、ケースにはあまり並べていないんですよ。5、6分はかかっちゃうから、お待ちいただくためのベンチも置いています」(店主の寺島祥雄さん)
柔軟な対応も可能だそうで、トンカツなどは希望すればショーケース内のブランド豚で揚げてもらうこともできるほか、地元の常連客の中にはコロッケなどをまとめて注文し、帰りに揚げたてを受け取る人もいるそうです。訪れた日は通常メニュー外の「手羽元の唐揚げ」(100円)もいただくことができました。このように、入荷状況次第ではレアなメニューに出会うこともできるお店なので、何度も足を運んでみるのもありです。
●「手作り特製コロッケ」(150円)
同店自慢のコロッケは、玉ねぎの甘みと一体化したクリームソースのようなトロトロのじゃがいもが印象的。味わっていくと豚ひき肉の旨みと香りが広がり、病みつきになる美味しさでした。歯応えを感じさせつつも厚すぎないバランスのサクサク衣の食感は、少量のラードでコクを加えたサラダ油を使い、さらに2つ並んだフライヤーで高温と低温を使い分けながら二度揚げすることで実現しているのだとか。

