奇跡的な偶然が重なって……

――中村江里子さんが、ご主人のシャルル・エドワード・バルトさんと出会ったのは、まだ、会社勤めをしていた1997年でした。ホテルのエレベーターで乗り合わせ、第一印象は、「ふさふさしたブロンドの背の高い外国人」だったとか。以降、交際に至るまでは偶然の連続だったそうですね。

 そうなんです。2度目に会ったのが、パリにひとり旅をしたとき。現地の知人から同僚として紹介されました。東京のエレベーターで乗り合わせたことはお互いに覚えていたのですが、その後はとくに進展はありませんでした。その8カ月後に転勤で東京に住むことになった夫とあるパーティの場で再会したのが3回目の出会い。

 「食事でもいかがですか?」と名刺を渡されたのですが、その後、誘いを3回もドタキャンしてしまいました。

――そんな江里子さんでしたが、パリへひとり旅に出たとき、バルトさんから、バラの花束がホテルに届いたという、ロマンチックな出来事に心を動かされます。

 共通の知り合いに滞在先のホテル名を聞き、東京からパリの生花店に連絡してくれたらしいんです。さらに友人が靴店に連れていってくれたのですが、なんとそのお店は偶然にも、私がパリに来るたびに、必ず靴を購入していたいきつけの靴店。

 しかも、私が選んだ靴は、夫が私に贈りたいと思っていた靴だったんです。支払いの際、「ムッシュ・バルトからのブレゼントです」と言われてびっくりしました。さすがにお礼を伝えなくては、とその夜電話をして、帰国したら食事をする約束をしました。

――ついに食事の約束を果たした江里子さんですが、それを機会に2人で会うことを繰り返していくうちに、お付き合いが始まったんですね。

 最初に食事をしたとき、私はフランス語ができないし彼も日本語ができないのに、すごく楽しかったんですよ。お互いの会話が噛み合っていない感じもおもしろくて、頻繁に会うようになりました。結婚はしなくても、長く付き合っていくのでは、と早くから感じていました。

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