到着したアパートで目にしたのは…

 彼が昼間に確認した通り、アパートの周囲には黒と黄色の立ち入り禁止ロープが張り巡らされており、階段のそばには噂の貼り紙も数枚ガムテープでベタベタと貼り付けてあったそうです。

「お~、貼り紙ってそれだろ? マジにあるじゃ――」

 余裕ぶったUさんの声を遮るように、突然Aさんが上ずった叫び声をあげました。

「うわっ! はっ!? いやいやいや、なんで……」

「なになに?」

「は、貼り紙増えてんですけど……」

【この建物は床面が劣化しているため、2階に侵入することはできません】

【あなたが何を見ようが、それは幻覚です】

 話に聞いていた貼り紙のそばに、同じように黒いマジックでグシャグシャに書き殴られた別の貼り紙があったのです。

» (後篇に続く)

次の記事に続く 「そのルール」は単なる“礼儀”ではなかった…2階の角部...