迷いを打ち消し、問題のアパートへ

 これまで良からぬこともいくつかやってきた彼らですが、土壇場で沸き起こる“やめようかな……”という迷いをいつも打ち壊してきたのが彼でした。

 E先輩に押し切られる形で車に乗り込んだ一同は、ほどなくして問題のアパート付近に到着。小道を進んだところにあるとのことで、車は少し手前に停め、徒歩で目的地を目指しました。

 もともと人気はかなり少ないと聞いていましたが、訪れた時刻が深夜を回っていたこともあって、辺りは余計に静まり返っていたそうです。

「あれがそうっすね」

 古びた白い板貼りの外装。

 暗闇の中に佇むそのアパートで一際はっきりと浮かび上がっているのは、白い塗装がボロボロと剥がれて赤サビが顔を覗かせている外階段。

「おし、じゃあAが切り込みな。スマホで明かり照らしといて」

「え、俺っすか!?」

「あたりめぇだろ。お前が言い出したんだし」

 E先輩に叱責されたAさんは、不満そうな目つきでスマホのライトを点けて外階段に近づいていきました。

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