ペタッ、ペタッ、ペタッ…コン

 コン。

 Aさんの部屋のドアがノックされたのです。

「インターホンがあるのに、指の骨でそっと叩くような音色でノックされたんだ」

 ペタッ、ペタッ、ペタッ。

 カチャ、ガチャン。

 しばらくすると、隣の部屋のドアが閉まる音がしました。

「あの女、俺のドア叩きに裸足で外に出ていたってことだよな」

 その日以来、Aさんが外出する時に隣の部屋に目をやると、ドアが少しだけ開いていることが増えたそうです。

「俺の目線に気がつくとすぐに閉まるんだ」

 カチャ、ガチャン。

 ペタッ、ペタッ、ペタッ。

 コン。

 ペタッ、ペタッ、ペタッ。

 カチャ、ガチャン。

 昼夜問わず不定期に訪れる隣人の訪問。慌ててドアに駆け寄ってもその姿はいつも見えません。

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