Magnificent View #791
松本城(長野県)
(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages
北アルプスの山々を背景に、三重の水掘に囲まれて堂々と立つ姿に、目を奪われる。松本城は、五重六階の天守としては日本最古を誇る名城だ。
城の前身は、戦国時代に建てられた深志城だと言われている。現在の天守が建てられたのは1593年から翌年にかけてのこと。1617年に入封した松平康長の時代に、現在の松本城の原型が築かれた。
明治以降、廃藩置県により主がいなくなったこの城を守り続けてきたのは、地元の人々だ。明治5年、天守が競売にかけられ解体の危機にさらされた際、買い戻したのは地元の有力者。明治30年代頃から天守が大きく傾いたときには、旧制松本中学校長の小林有也らにより天守保存会が設立され、「明治の大修理」が行われた。
幾度となく存続の危機を乗り越えてきた松本城。現在は国宝に指定され、白と黒の漆喰からなる美しいたたずまいは、街のシンボルとして親しまれている。
Column
今日の絶景
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2015.11.30(月)
文＝芹澤和美
