ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)が、ブランド創業60周年を記念した特別展示「NEVER STOP EXPLORNING EXHIBITION」を、10月31日まで東京・表参道のゴールドウイン東京本社にて開催している。

 1966年、米・サンフランシスコで誕生した同ブランドの根底にあるのは、自然へのリスペクト。長きにわたってアスリートたちの挑戦を支え、新素材やプロダクトの開発を続けながら、デザインやカルチャーのフィールドでも存在感を放ってきた。

 同展では、ブランドが歩んできた60年間の軌跡を振り返るとともに、これから描く未来を提示。会場を巡ることで、ザ・ノース・フェイスが大切にしてきた思想が浮かび上がってくる。

 この記事では、展示から見えてきたブランドの4つのキーワードを、会場の展示内容とともに紹介する。


宇宙を旅するように、60年の軌跡を振り返る

 会場は宇宙をイメージし、それぞれ異なるテーマを持つ10個の「惑星」で構成されている。入り口付近では開発中の新技術など未来に向けた取り組みを紹介し、会場の奥へ進むにつれて、ブランドの過去の軌跡を振り返る構成。未来から過去へと時間を遡るように、60年の歴史を体感できる空間となっている。

 中央には、半球体のアイコニックなテント“ジオ ドーム4”を配置。月や地球を想起させる印象的なビジュアルは、宇宙をテーマにした空間デザインのアイコンとして機能している。来場者が記念撮影を楽しめるフォトスポットにもなっている。

【1】新素材の開発

自然と共生する未来を目指して。持続可能な素材開発を継続

 未来に向けた取り組みを紹介する展示のひとつが、スパイバー社との素材開発だ。

 会場では、蜘蛛の糸に着想を得たタンパク質素材の研究開発を行うスパイバー社との取り組みを紹介。ザ・ノース・フェイスでは、2023年からこの技術を取り入れた関連商品を販売しており、現在はコットンなどとの混紡・代替素材として活用している。将来的な100%使用を目指し、開発を続けているという。

  さらに、現在開発中のテクノロジー「ヴォクセロフト」を活用したプロトタイプも展示。衣服内の空気量を調整することで保温性を変化させる独自技術で、空気そのものを素材として活用するという発想から生まれたものだ。2022年には、空気を素材として取り入れた初のプロダクト“エアチャンバー ヌプシ ベスト”を発表。今後、同技術を取り入れたアウター一着でエベレスト登頂が可能になる可能性を提示している。

 素材や技術の進化によって、自然環境への負荷を抑えながら、人間の活動領域を広げていく。そんなブランドの未来像が垣間見える展示だ。

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