音楽教師と教え子たちの絆を描く映画『キリコのタクト~YELL~』。本作で、数々の合唱コンクールを制してきた音楽教師・原田貴理子を演じた鈴木京香さんは、キャリア初となる指揮者役に挑じました。役を通して知った指揮者の奥深さ、そして幼い頃から親しんできたアート、新しいものに興味を持ち続けることの喜びについて話を伺いました。

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子どもの頃から絵画は身近な存在

――昨今は「推し活」が注目されていますが鈴木さんもされていらっしゃいますか?

 推し活ということはしたことがないんですが、新作が公開されると必ず劇場へ足を運ぶようにしている、海外の映画監督がいます。好きな監督の映画を観に行くという予定があるだけでちょっと元気をもらえますよね。

――鈴木さんはアートにも造詣が深いですよね。興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?

 父が休日に油絵を描いていたので、子どもの頃から絵画は身近な存在でした。父が描いている姿をよく眺めていた記憶があります。

 宮城の田舎で暮らしながらも、雑誌などで東京で流行っているものはこまめにチェックしていました。今こんなアーティストが話題らしいとか、こういったミュージシャンが来日するようだ、とか。そういった情報に触れていくうちに美術への興味が深まっていたんです。それで高校では美術部に入りました。

――本作の生徒たちのように熱心に取り組んでいたのでしょうか?

 コンクールへの入賞を目指して、作品を描くことはありました。でも、美術は一人で作品と向き合うものなので、大勢で力を合わせる合唱とはまた違いますよね。それぞれが好きなものに熱中していたので、この映画の生徒たちのように、みんなが同じ方向を向いて一致団結する青春とは少し違っていました。そうした経験があまりないので、羨ましさも感じます。

 合唱を聴いていると、青春をもう一度味わわせてもらえるような気がします。大人になった今、みんなで切磋琢磨できる活動は素敵だなと、改めて感動しました。何かに懸命に打ち込む姿は、それだけで美しいのでしょうね。

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