翌朝は、坐禅体験へ!
翌朝は、建仁寺の中にある両足院で坐禅体験をすることになっていた。以前ラジオ番組にゲスト出演してくださった副住職の伊藤東凌さんのお話を伺って、ずっと訪れたいと思っていた場所。一度ロケでもお邪魔したけれど、その時は時間がなく簡易な体験だったので、ようやくきちんと体験することができる。友人のひとりは仕事があるそうで、こちらは2人で訪れた。
静かな庭を眺めながら、まずは坐禅の組み方を教わった。形が決まったら、目を閉じて五感を研ぎ澄まし、周りの音をよーく聴く。すると、静かだと思っていた庭にも、様々な音があることがわかった。風に揺れた木々の葉が擦れる音。鳥の声。遠くを歩く人の声も聞こえた。続いて、今度は自分の体に意識を向ける。頭のてっぺんから顔の表面を通り、喉元を過ぎて胸の辺り……。そうやって輪郭を意識しながら、足の裏や背中まで、全身を浮かび上がらせる。ここまで自分の体に意識を向けたのは初めてで、心臓や脈の音がしっかり響いているのがわかった。最後に、外と中を繋いで、世界と一体化する。先ほど聴いた外の世界の音と、自分の体の中を繋ぐような感覚。すると、不思議なことに自分のお尻の下に根が生えて、地球と繋がっているような感覚になった。風が吹くたびに、上半身が草花のように揺れる。
こうして、1時間ほどの坐禅体験は終了した。驚くほど頭がスッキリして、体が軽くなっている。坐禅というのは「心を無にする」ことだと思っていたけれど、無理に何も考えないようにするのではなく、風や音に集中することで、自然と自分が切り離されていく。不要なものから逃れられる感覚があった。普段から、思っている以上に雑念まみれで生きているのだろう。
坐禅をすると余計なことは一切考えなくなる。仏教にも詳しくはなく、スピリチュアルなことにも全く興味がなかったけれど、これはあまりの衝撃だった。全ての人にオススメしたい。一度やり方さえ教われば、普段からどこでもできることだし、サウナに入りながら同じことをやってみると、代謝が良くなったのか、いつもより何倍も汗をかいた。
まだまだ知らない京都がたくさんある。訪れるたびに新しくて懐かしいこの街には、生涯をかけて通いたいと思っている。
それにしても、なんだかずいぶん大人な遊び方ができるようになった。朝から晩まで共に行動するわけでもなく、無理なく一緒に楽しめる仲間達。考えてみれば、修学旅行とは正反対だった。明日からはまたそれぞれ仕事の日々が続くけれど、それもまた嬉しい。大人になるということは、選択肢が増えて、自由になるということ……。不安定で傷つきやすかった、あの頃の私へ伝えたくなった。
「ゆっくりおいで。大人になってからの方が、京都は楽しいよ」
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おもうがたび
2026年9月16日
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