ふと鏡に映った自分の姿を見て、背中が丸まっていることにショックを受けたことがある人は多いはず。姿勢が悪いと、老けて見えてたり、集中力が低下したり、腰や肩の痛みも出てくるなどデメリットがたくさん。

 背中が丸まる原因や弊害、丸まった背中を伸ばす簡単ストレッチを収録した、YouTubeで大人気の整体師・とも先生の著書『丸まった背中がピン!と伸びる 9秒背骨ウェーブ』より、一部抜粋してお届けします。


ピン! とした姿勢が続かない本当の理由

「よし、今日から姿勢をよくしよう!」

 そう決意して胸を張るも、10分、20分で元の丸まった背中に戻ってしまう……。誰しもがこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

 しかし、よい姿勢を維持できないのは、単に努力不足や意志の弱さが原因ではありません。多くの人が、「正しい姿勢になるための順番」を知らないばかりに、遠回りをしてしまっているだけなのです。

 そもそも、「胸を張って姿勢をよくする」努力をしても、維持できないのには明確な理由があります。

 デスクワークや座り仕事が多い方は、大胸筋(胸の筋肉)が硬くなっています。この硬くなった筋肉は肩をグイグイと前に引っ張り、いわゆる「猫背」や「巻き肩」の原因となるだけでなく、背⾻も丸めて動きを悪くしていきます。

 まるで、強力なゴムで肩が前に縛り付けられているような状態です。無理に肩を後ろに引いても、胸の筋肉が「前に戻りたい!」と抵抗するため、10分もたてば疲れてしまうのは自然なことだと言えます。

 姿勢をよくしたければ、胸を張るな――大事なのは「順番」です。丸まった背中を解消したい人がまずすべきは、ストレッチで胸筋をほぐし、背⾻がしなやかに動く準備を整えてあげること。たったそれだけで、努⼒せずともよい姿勢をキープできるようになります。

背骨が描く「S字カーブ」の役割

 私たちの背骨は横から見ると、首・背中・腰の3つの部分でS字カーブを描いています。このカーブは、頭や体の重さを分散するほか、体に受けた衝撃をやわらげる“クッションのような役割を果たしています。S字カーブがあるからこそ、⽴つ・歩く・座るといった⽇常動作をスムーズに⾏えているんですよ。

 ところがこの大切なカーブは、重⼒の影響や椅⼦に深く座るなど、些細なことが原因で少しずつ崩れてしまいます。崩れ方が⼤きくなったり、カーブが失われてしまうと、背骨本来のクッション機能が働かなくなり、頭や上半身の重さをうまく分散できなくなるのです。

 すると、動いたときの衝撃がダイレクトに体へ伝わるようになります。これが腰痛や手足のしびれの一因になることも……。

 さらに、体は無意識に別の場所で、失われた背⾻の機能を補おうとします。腰を反らせたり、首や肩をこわばらせたり、膝に力を入れたり――本来、S字カーブが担う役割をほかの場所が無理のある動きで代替するようになり、体のあちこちに不具合が出てきてしまうのです。

 ただし、ここで⼤切なのは、S字カーブが崩れたとしても、⽴て直すことができるということ。体は本来あるべき状態へと戻る⼒を持っています。その⼒を引き出すきっかけが、本書の「9秒背⾻ウェーブ」です。

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