近年、日本の夏は「暑い」を通り越し、気象庁が「酷暑日」という言葉を新設するほど過酷な環境へと変貌しています。そんな中、私たちの必須アイテムとなったのが「日傘」。しかし、もはや日傘はただの紫外線対策やファッションの一部ではなく、選び方の常識がガラリと変わる大転換期を迎えています。

 「2026年の日傘選びは、これまでの常識が通用しない大きな節目を迎えています」と語るのは、傘ソムリエの土屋博勇喜(つちや・ひろゆき)さん。市場がこれまでにない盛り上がりを見せる中、今年はとんでもない“異業種の大手”が本格参入し、これまでにないアプローチの日傘が誕生していると言います。

 前篇では、日傘市場を大きく揺るがしている、異業種発の注目日傘2選を土屋さんに徹底解説していただきました。

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遮光100%は当たり前。2026年は「命を守るポータブルシェルター」の時代へ

 近年の記録的な猛暑や環境の変化を背景に、2026年の日傘市場はこれまでの業界ルールやユーザーのマインドが大きく変わる、大きな転換期を迎えています。ただの紫外線対策や暑さしのぎのファッションアイテムから、過酷な夏を生き抜くための「命を守る装備」へと、市場における役割そのものが変化しつつあるようです。

「年々厳しさを増す日本の夏、僕は今年、日傘のことを『ポータブルシェルター(歩く避難所)』という位置づけでいろんな場所で発信させていただいているんです。それくらい、熱中症から命を守るための防災ギアとしてのマインドに、世の中全体が変わってきています」

 そうしたユーザーのマインドの変化を裏付けるように、今年から日傘の「性能の基準」そのものが変化。これまでは最高峰とされていた数値すら、もはや過去のものになろうとしていると土屋さん。

「2026年は、日傘の規定(基準)が大きく変わった年でもあります。今まではUVカット『99.9%』や遮光率が『99.99%』であれば最高峰とうたえましたが、今年は『100%』が業界の基準になりました。しかも、生地単体での検査値であることが厳密に求められるようになり、裏面にポリウレタンコーティング/ラミネートコーティングを施した『UVカット/遮光率100%』の傘が標準化されています。

 ただし、『UV100%』『完全遮光』という表現は、あくまで生地単体の測定値です。傘になると縫い目や構造が加わるため、“完全”“100%”にはなり得ません。キャッチコピー等にうたわれていたとしても、細かく見れば、傘に付いている下げ札などに注釈が小さく書かれているはず。チェックしてみてくださいね」と語ります。

 「UVカット100%」「遮光率100%」が当たり前の標準装備になったからこそ、市場はさらなる加熱を見せています。この巨大なマーケットのポテンシャルを確信し、従来の枠を超えた強力なプレイヤーたちが続々と名乗りを上げてきました。

「世はまさに、“日傘競争2.0”とも言える戦国時代です。そんな中、売れるマーケットだと確信して本格参入してきたのが、魔法瓶や美容といった大手異業種です。アプローチ方法やストーリーが従来の傘メーカーとは全く違っていて、非常に面白いことになっていますよ!」

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