【酒井織物】豪雪地帯南魚沼市で発達した織物の伝統文化

 翌日は、南魚沼へ。豪雪地帯ならではの伝統や文化についてさぐっていきます。南魚沼市は日本一の「魚沼コシヒカリ」の産地ということは広く知られていますが、実は織物も古くから作られてきました。

 魚沼地方で織物が発達した背景には、雪国の湿度と深い関係があります。麻糸の原料である「カラムシ」は乾燥に弱く、機織り作業中に切れてしまうことが多い素材。しかし、豪雪地帯である魚沼では常に雪が積もっているため、冬の湿度が90%以上という機織りに最適な環境が整っていたのです。雪で農作業ができないことを逆手にとって、織物産業は農家の副業として発展していくことになりました。

 始めは麻織物を中心として発展した魚沼の織物産業は時代を経て「塩沢紬」や「本塩沢」が開発され、市場をさらに拡大していきます。

 南魚沼市塩沢にある1933年創業の酒井織物は、本場塩沢絣織元です。酒井織物は越後上布の技術を絹織物に取り入れた塩沢絣の織元として、製図から手織りまで大半の工程を手仕事で行っています。

 酒井織物では、製図作りから糸に撚りをかける強撚糸、絣糸をつくる絣づくり、機織りなど、たくさんの工程をひとつずつ手作業で行っています。

 機織りの工程は非常に細やかで、常に手が抜けず、根気が必要。

 木製の機械によるカラカラ、カシャンという音が一定のリズムで響く工場は、趣深く、心地よい。一度見学をしてみると、一反の織物への情もひとしおです。

酒井織物

新潟県南魚沼市塩沢41-2
https://www.sakaiorimono.com/

【中田屋織物】雪国で受け継がれる越後上布の雪晒し

 雪晒しは、古くから南魚沼地域の春の風物詩。雪の上で日光を浴びて漂白される伝統的な雪晒しは、白をより白くしたり、シミや汚れを落とすことができるとされ、江戸時代から今に至るまで同じ方法で行われ続けています。

「雪晒しでさらしをすること」は越後上布と認められる条件のひとつ。豪雪地帯ならではの知恵が詰まった天然の漂白方法であり、この雪晒しを含む手作業による製造工程の希少性が認められ、「越後上布」は1955年に国の重要無形文化財に登録されています。

 雪晒しは、一般的な漂白のように布でこすって繊維を傷めることがないため、麻の原料がつぶれず、パリッとした張りと、使い込むほどに増す柔らかな風合いに仕上がるのが魅力。そんな布の強度がすばらしい越後上布は、一世代で終わることなく、何世代にもわたって着続けられるので、サステナブル。より愛着が沸きます。

中田屋織物

新潟県南魚沼市塩沢95

【FARM FRONT SEKINOEN】世界一のお米を最高の状態でもてなす

 魚沼と言えば、やっぱり「コシヒカリ」。その中でも最高峰のコシヒカリの産地とされているのが南魚沼市旧塩沢地区。この地で旧店舗をお米の直売所兼おむすび屋としてリニューアルしたのが「FARM FRONT SEKINOEN」です。

 南魚沼は、豪雪地帯であり、山々に囲まれ年間を通して天気が崩れやすいのですが、実はそんな環境こそがおいしい米を育みました。南魚沼特有の環境が微生物や菌を育て、田んぼの土を豊かにしてくれるのです。そんな南魚沼産コシヒカリの中でも数々のコンクールで賞を獲得し「世界一」の称号にも輝いたのがこちらの関農園。無農薬栽培にこだわり、米ぬか・魚粉などを使った有機肥料でじっくり熟成させた土で育てたお米を味わうことができます。

 そんな世界一のお米を土鍋で炊いて塩むすびで味わえるセットが「土鍋炊き塩むすびセット」。お米本来の味わいがこんなに深いものなのかと感動すること間違いなしです。

 おいしいお米に欠かせない、雪室も見学させていただきました。雪室には、密度を極限まで高めるため雪が隙間なく詰め込みまれています。その上で、気温が上がる季節でも結露が起きないようにサーモセンサーで温度・湿度を徹底管理し、常に風を送って保管をしています。すべては「いついただいても関農園のお米はおいしい」と言ってもらえるため。新米が出る前のお米の劣化を最小限に抑える工夫や、田んぼ一反ずつの味のバランスを調整しながら世界一のお米を届ける努力を惜しみません。

FARM FRONT SEKINOEN

南魚沼市関972-4
https://farmfront.jp/

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