桃子 政治家みたい。うちはハグじゃなくて、「布団があるとぶん投げあう」というのをしてきた家なんで。今も寝室ですれ違うと、バーンってベッドに投げ合います。

響子 それ、小学生の頃に私と母でやってたんですよ。2階に寝室があって、母が階段を上がる時、私がついていくと、いきなり振り向いて両手を構えて空手のポーズをとるんです。それからダダダダッて階段を駆け上がる。それを合図に私もダーッて後を追いかけて、ベッドの前に来ると母が振り向いてまた空手のポーズ。そこからお互いにつかみあって投げ飛ばすんです。それがうちのハグですね。

桃子 それが代々続いていて、いまだに60過ぎと30過ぎでやってます。父も交えて。

響子 だいたい私が娘を投げてます。

白日夢の中で

響子 2025年1月に全身麻酔で大腿骨骨折の手術をしました。理学療法士さんはとても親切で、「立ってみましょう」「ここまで歩いてみましょう」と優しく言ってくれているのに、私には「あのチビが、言いたい放題言う」って。

桃子 全然チビじゃない。すらっとしてるんですけどね。

響子 年齢的にチビと思ってる。

桃子 小僧みたいなことだね。

響子 相変わらず口は元気ですが、とても衰えました。

桃子 アルツハイマー型認知症と診断されたことは、私の本にも書きました。今は要介護4です。

響子 常に白日夢の中にいる感じです。

桃子 寝てる時、寝言をすごく言うよね。

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