この記事の連載

 世界中の女性から憧れられる、“パリジェンヌ”というイメージが出来上がったのは19世紀末から20世紀初頭のベル・エポックの頃なのだそう。

 このたび、自然由来のビューティプロダクトで世界中の女性を虜にする「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」のブランドディレクター、ヴィクトワール・ドゥ・タイヤックさん監修の『美しくある秘訣』が上梓されました。ベル・エポック当時のパリジェンヌたちが毎日をどう過ごし、自分自身をどう慈しんでいたか……全8章からなる小説風の一冊は、単なるhow to本ではなく、哲学書のような趣も。

 来日したヴィクトワールさんへのインタビュー、続いては『三銃士』のポルトスのモデルになった人物の血を引く名門貴族出身で、生粋のパリジェンヌであるご自身の「美しくある」ための日々のルーティンや日本の女性へのメッセージを伺いました。(全3回の2回目/最初から読む)


自身のスキンケアは化粧水、オイルにプラス1~2品で「シンプルなのが好き」

――全体を通して、今回の書籍はクラシックすぎることがなく、とても普遍的で、現代の女性にとってもバイブルになり得るものだと思いますが、もしヴィクトワールさんご自身がチャプターを付け加えるとしたら、どんなものになりそうですか?

 チャプターを新たに加えるというより、第7章のビューティに関する章が比較的短いので、そちらをもうちょっと掘り下げたいと思います。スキンケアや、紫外線への対策、または一日のルーティンのような、朝起きてからこうするみたいなことを、もう少し現代の女性に合わせたコンテンツとして加えていきたいと思います。

――実際にヴィクトワールさんが美意識を保つために行っているルーティンはありますか?

 子どもが多いので、なかなか片付けが大変ではあるのですが(笑)、ラムダン(※ヴィクトワールさんの夫でビュリーのアートディレクター)が自宅の空間もデザインしてくれているので、そこに身を置くことを心がけています。美しいものに囲まれることも大切ですね。

 あとはお花を飾ることです。これはデイリーというより、週ごとに変えたり季節に合わせたりという感じですが、私はキッチンに飾ったり……。ラムダンは階段に飾るのが好きなので、そうやって空間に彩りを与えています。

――スキンケアやボディケアについてはいかがでしょうか?

 スキンケアはシンプルなのが好きなので、朝は化粧水とオイルにプラス、クリーム。その日の肌の調子や季節によって使い分けています。夜はクレンジングにオイルとシアバターをプラス。朝と夜と、オイルはどちらにも使います。

 ビュリーのオイル5~6本を常に手元に置いておき、それを使い分けています。あとは、仕事柄気になるオイルがあるときは、それを試してみたりもします。時間をかけてお手入れを行うのは夜ですね。

2025.03.21(金)
文=前田美保
撮影=橋本 篤