おかしくて楽しくて、切ないほどに愛おしい猫。2月22日の猫の日にむけて、CREA WEBでこれまで紹介してきた猫にまつわる記事のなかから、とくに人気の高かったものを再公開します。(初公開2024年6月11日。※記事内の情報は当時、または「CREA」誌面掲載時のものです)
1998年に日本の女性誌ではじめて「猫」を特集し、パイオニアだったCREAが、終わらない猫ブームが続くいま、12年ぶりに、猫と人との幸せな関係を紐解きます。
「CREA」2024年夏号の「猫のいる毎日は。」特集。その一部を抜粋し、掲載します。
CREA 2024年夏号
『猫のいる毎日は。』
定価980円
猫好きならずとも、その名を聞けば誰もがわかる、あの「猫」。
そこに込められた思いを知ればもっと好きになる、有名な猫キャラクターの誕生秘話に迫ります。
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◆クロネコヤマトの「猫」

完成当時のロゴは「まかせてあんしん」のキャッチフレーズ入り。そこからおなじみのマークに変わり、2021年に新マーク採用。
お話を伺ったのは
ヤマト運輸 コーポレートコミュニケーション部
吉澤建人さん
子どもの絵をヒントに生まれた親しみやすいネコマーク
クロネコと言えば、「クロネコヤマトの宅急便」を連想する人も多いはず。2021年には、ネコマークが制定64年目にして初めてリニューアルされたことがニュースになるほど、広く愛されてきた親子猫のマークは、一体どのように誕生したのか。ヤマト運輸の吉澤建人さんに聞いた。

「大和運輸時代だった1957年に、業務提携を結んだアメリカのアライド・ヴァン・ラインズ社のシンボルが親子猫マークでした。そこに込められた、“careful handling(丁寧な荷扱い)”という信念に創業社長の小倉康臣が共感し、使用許諾を得たのがクロネコマーク誕生のきっかけです」
これをもとに、マークのデザインを担当したのは、大和運輸の広報だった清水武さん。彼の娘が画用紙にクレヨンで描いた親子猫がヒントとなり、同年6月にネコマークのデザインが完成した。


2016年には、原案として知られていた絵の現物が発見されると、その画用紙の裏側には、ネコマークにより近い絵が描かれていることが発覚。約60年の時を経て、より詳細な過去が明らかになった。
2025.01.28(火)
文=田辺千菊(Choki!)
写真=平松市聖
CREA 2024年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。