この地のグルメといえば、敦賀ふぐ!
ちなみに、水島の手前の海にはブランド魚「敦賀ふぐ」(トラフグ)の養殖のいかだが浮かんでいます。
![トラフグ養殖の北限、敦賀。養殖に適した条件が整っています。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/e/1280wm/img_0e5cd4729357c6bc413dc39fc6e08124224962.jpg)
ここ敦賀湾は三方を山に囲まれ、ミネラルを豊富に含んだ春の雪解け水が海に流れ込みます。フグの養殖場としては日本最北端に位置し、夏には水温30度まで上がり、真冬になると10度前後まで下がり、一年のうちの海水温の差が約20度も。そのため身が引き締まり、滋味深い味わいになるそう。
![ひとつのいかだに約1,000匹。7センチの稚魚でやってきて、1年半ここで育ちます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/6/1280wm/img_26b5ec58910b4e2fe34f4d60184bdd00376404.jpg)
敦賀ふぐを育てる中井さんによると、トラフグの歯は非常に鋭く、フグ同士で傷つけあったり、網を破ってしまったりすることがあるとか。そのために稚魚がある程度育った段階で歯切り作業を行うそう。1万匹あまりの稚魚を一匹ずつ、手作業で歯切り……。膨大な作業量に、想像するだけでくらくらしそうです。
![30年前に近畿大学の教授からフグの養殖を提案され、「捕る漁師から育てる漁師になった」という中井さん。始めた頃は病気で全滅したことも。丹精込めて、育てています。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/d/1280wm/img_1d9aa898e52928d980721b2517f2d997267881.jpg)
こうして1年半かけて手塩にかけて育てた敦賀ふぐ。フグの旬は10~3月ですが、中井さんが切り盛りする旅館「敦賀ふぐの宿 なかい」では通年、提供しているそうです。
夏だけの水島と、夏でもいただける敦賀ふぐ。新幹線の開通で行きやすくなったことですし、この夏、いかがでしょう。夏が去った後の、芭蕉が感じ入った秋の寂しさも味わってみたいところですが。
![敦賀の居酒屋でいただいた、てっさ(ふぐ刺し)と皮の千切りなどのセット4,000円。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/2/1280wm/img_426f9d612375af2bec03892d1e58d6fe239772.jpg)
![本隆寺開山堂。芭蕉が休んだのはちょっと離れた本堂だったもよう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/8/1280wm/img_e8af0b9ce1889f3a4e3bc229829917c1199502.jpg)
水島
●アクセス 敦賀駅から車で色ヶ浜へ約30分 そこから瀬渡しで約10分
●おすすめステイ先 コートヤード・バイ・マリオット福井
https://www.marriott.com/ja/hotels/kmqcy-courtyard-fukui/overview/
取材協力
敦賀観光協会 https://tsuruga-kanko.jp
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
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2024.07.13(土)
文・撮影=古関千恵子