当時、新しい家族となった「由莉」を初めてご静養先の御料牧場に一緒に連れて行く際、7歳だった愛子さまは小さな体で一生懸命に抱っこなさっていた。まるで新しい家族を記者団や待機していた人たちにお披露目してくれているかのようだった。

 愛子さまが小学校2年生から不規則登校になった時も、東宮職が犬のリードを引きながら一緒に登校した日もあった。「由莉」は今でもご一家の家族として大切に育てられていて、ご一家のお誕生日やご静養先などの撮影でも登場することは多い。

アイメイト協会の啓発ブースに足を運ばれてきた

 皇室と「生きもの」の歴史は長く、陛下も皇太子時代に犬を飼われていたことがある。妹の黒田清子さんも学習院初等科の卒業文集で将来の夢について、

《盲導犬の指導員になりたい》

 と記されたほどだった。

「飼われていた紀州犬の『千代』にも盲導犬の訓練を受けさせたり、盲導犬育成団体が主催するチャリティコンサートやイベントにも積極的に出席なさったりしていました」(元宮内記者)

 愛子さまも、雅子さまがご療養中初期の頃に、動物介在療法のフォーラムに親子で初参加なさったことがある。犬がペットとして可愛らしいだけでなく、人間に与える数々の効果を学ばれている。後に「由莉」もセラピー犬としての訓練を受けて、医療施設などでアニマルセラピーの活動に参加している。

2024.06.27(木)
文=友納尚子