「その年は愛子さまにとっても激動の一年で、初となる公式式典にご出席なさった一方で、過度の疲労から、通われていた学習院女子中等科を長期欠席なさり、随分とお痩せになった。そんな時期に『セブン』という家族が増えて、お部屋の中でご一緒に過ごされることが多かった。辛い時間もあったと思われますので、動物たちには癒されたのではないでしょうか」(元侍従職)

雅子さまが縫われた幼稚園バッグの刺繍

 今回、宮内庁が猫の写真を発表する前に、同じ写真を雅子皇后が4月の園遊会で現代美術家の横尾忠則氏ら猫好きの招待客に披露された。

「当然、記者会が写真の内容を紹介して欲しいという要望を出したことも発表に繋がった」(宮内記者)

 天皇ご一家は、インスタグラムでの写真公開を始めとして、皇室のご活動の一部をオープンにしている。「生きもの」とご一家の写真によって、皇室がより身近なものに感じられるようだった。

 振り返ってみると、ご一家の近くにはいつも「生きもの」たちがいた。愛子さまがご誕生なさった時には、すでに当時の皇太子ご夫妻は2匹の犬の「ピッピ」と「まり」(雑種・雄と雌)を飼われていた。2匹は両陛下に寄り添い愛子さまのご成長を側で見守ってきた。

 愛子さまが学習院幼稚園のご入園にお持ちになっていた幼稚園バッグには、2匹の犬をモチーフになさった刺繡を雅子さまが縫われていたほどだった。

保護犬だった生後2カ月の「由莉」

 2匹が死んでからは、2009年に捨てられて保護されていたという生後2カ月の「由莉」(雑種・雌)を動物病院から譲り受けた。

 愛子さまは「まり」に響きが似た「ゆり」という名前を考えられて、後に漢字の「由莉」になさったという。

2024.06.27(木)
文=友納尚子