#299 Amami-Oshima
奄美大島(鹿児島県)
![奄美大島の北にある崎原ビーチ。視界が開けた景観に、気分も晴れやかに。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/a/-/img_ba37d14cbd4ae8f39749893f6b85a292145153.jpg)
沖縄本島と鹿児島のほぼ中間に位置する奄美大島。周囲約461キロメートル、面積は約712平方キロメートル。沖縄本島、佐渡島に次ぐ国内で3番目に大きな島です。
島の南北は、約90キロメートル。ただし島はその8割を山間部が占めているため、島を車で一周しようとすると、約6時間半もかかるとか。想像以上に大きな島です。
![遠くまで広がるサトウキビ畑が島のあちこちに。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/3/-/img_93ecab592709f350e3e1a76854fdc9bb189899.jpg)
中心地は、ビルやちょっとした繁華街もある中部の名瀬。南端の瀬戸内町まで下ると、複雑に入り組んだリアス海岸が広がり、風景ががらりと変わります。
![中心地の名瀬。夜の街もあります。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/e/-/img_ee25edc95040eaa64fe263bc424f9dfe102148.jpg)
そして中南部は奄美群島最高峰の湯湾岳(海抜694メートル)を中心に外国のジャングルのような、国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がっています。
もともとはユーラシア大陸の東端の一部だった奄美群島。地殻変動により大陸から徐々に切り離され、島に取り残された動植物たちは独自の進化の道をたどりました。
![亜熱帯の植物の息吹に包まれる島。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/5/-/img_6555bced967a8a2860f2f61084dd6b07116404.jpg)
そのため、奄美大島を含む奄美群島は日本の国土のわずか約0.3%ながら、そこに日本全体の約16%もの生物種が暮らしています。アマミノクロウサギやアマミトゲネズミなど固有種も生息し、その多くが絶滅の危機に瀕した希少種でもあります。
そんな動植物の多様性と貴重な固有種の多さなどから、2021年に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産に登録されました。
今回はそんな奄美大島の海・森・川、それぞれの豊かな自然についてご紹介していきましょう。
2024.05.04(土)
文・撮影=古関千恵子