この記事の連載
- アニコム『家庭どうぶつ白書』 #1
- アニコム『家庭どうぶつ白書』 #2
みなさんは、ペットと暮らす人のバイブルと呼ばれる『家庭どうぶつ白書』をご存じでしょうか。
ペット保険で知られる「アニコム損保(以下、アニコム)」が、毎年公開している世界最大規模のペット統計データ集で、猫と暮らす人の間でも毎年注目を集めています。
気になる内容は、猫種ごとになりやすい病気や寿命といった実用的なデータをはじめ、人気の名前ランキングなど、楽しくてためになる情報が満載。
この『家庭どうぶつ白書』を発表しているアニコムに、白書にかける思いや、猫のためにできることを伺いました。
猫と暮らす人必携! 猫の声として読みたい『家庭どうぶつ白書』
日本初のペット専門の損害保険会社として、2008年に営業を開始したアニコム。ペット保険シェア10年連続ナンバーワンの実績を誇る同社が、そのビッグデータをもとに動物たちの情報を分析し、まとめたデータ集が『家庭どうぶつ白書』です。
80ページ以上にも及ぶこの白書の編集に10年以上携わっているのが、広報の兵藤未來さん。実は獣医師でもある兵藤さんに、白書にかける思いを伺いました。
「『家庭どうぶつ白書』は2010年から公開を開始して、私は2012年から編集を担当しています。もともとペット保険の窓口精算の対応などでお世話になっている動物病院様向けに作られたものですが、その根底には、弊社の理念である”病気の予防に役立てたい”という思いが込められています。
そして、きっとそこに、ペットが健康で長生きするためのヒントが詰まっているので、飼い主さんにもまずペットのことを知ってもらえれば、との思いから、一般にも白書を公開しています」(兵藤さん)
最新版の『家庭どうぶつ白書2023』は、例年の犬・猫の品種別の疾患の動向に加えて、診療費や高齢期にかかりやすい疾患、寿命や死因に関するデータなども拡充され、読み物としても興味深い1冊になっています。
また、アニコムの場合、犬や猫以外にもウサギ、フェレット、ハムスター、モモンガ、ハリネズミ、カメなどの情報も紹介されていて、これらすべての動物が保険に加入できるという最近のペット事情にもビックリ! ほかではなかなか手に入らないレアな情報が、無料で読めることにも驚きます。
最近はネットやSNSで情報を収集できて便利になった反面、ペットの情報に関しては正しい情報を見極めるのが難しいという兵藤さん。特に猫の飼い主は、犬の飼い主と比べると、生きた情報に触れる機会が少ない傾向にあるため、ぜひこの白書を活用してほしいと話します。
「犬と違って猫は基本的に外に出かけないので、犬のお散歩仲間のように毎日顔を合わせて、情報交換ができる相手がいないという悩みも聞かれます。また、猫は病院嫌いの子も多いので、病院で入手できるはずの情報のアップデートも遅れてしまったりと、なにかと情報難民になりがち。そういった意味でも、猫の飼い主さんは自発的に情報を集める必要があるので、折に触れてこの白書を開いていただきたいですね。
私たちは、ここに載せているデータはすべて『動物の声』だと思っています。猫に関してもさまざまなデータを紹介しているので、ここから猫のためにできることを読み解いてほしいですね」(兵藤さん)
近年は、日本国内独自の疫学データとして、学術研究や商品開発など、さまざまなシーンで活用され、動物と飼い主さんの暮らしに役立てられている『家庭どうぶつ白書』。次のページでは、毎年話題を集めているランキングをご紹介します!
2024.03.09(土)
文=田辺千菊(Choki!)
写真=深野未季、Aflo