Hideto Kamiizumi 上泉秀人
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日々の暮らしの中で気軽に使える器を。そんな思いを込め、奇をてらわない器作りを青梅で20年以上続ける上泉秀人の、飯碗と煎茶碗。
「しのぎと呼ばれる、伝統的な切り込み模様を得意とする方。白い器は時としてつるりとした印象になりがちですが、こうした技法を使うと表情が深まります。見た目にきりっとして、手にもなじみやすい。頼りがいがある器というイメージです。ブルーがかった色合いは、仕上げにかける釉薬によるもの。器遣いの幅を広げてくれる器だと思います」
瀬戸の磁器土に少しだけ混ぜるという地元・青梅の土に含まれる鉄分が、ぽつりぽつりと顔を覗かせ、それがまた独特の味わいを生んでいる。
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2011.08.26(金)
selection:Yoko Hiramatsu
text:Namiko Uno
photographs:Toru Kometani
styling:Yuko Oshima
CREA 2011年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。