Hideto Kamiizumi 上泉秀人

飯碗がちょっと胴長なのも、彼の特有のスタイル。煎茶碗はお茶のみならずお酒などを飲むときにも。右:しのぎ飯碗(φ11㎝ ×高さ9㎝ )¥5775、左:しのぎ煎茶碗(φ7㎝ ×高さ6.5㎝ )¥3675/上泉秀人(宙〈そら〉)

 日々の暮らしの中で気軽に使える器を。そんな思いを込め、奇をてらわない器作りを青梅で20年以上続ける上泉秀人の、飯碗と煎茶碗。

「しのぎと呼ばれる、伝統的な切り込み模様を得意とする方。白い器は時としてつるりとした印象になりがちですが、こうした技法を使うと表情が深まります。見た目にきりっとして、手にもなじみやすい。頼りがいがある器というイメージです。ブルーがかった色合いは、仕上げにかける釉薬によるもの。器遣いの幅を広げてくれる器だと思います」

 瀬戸の磁器土に少しだけ混ぜるという地元・青梅の土に含まれる鉄分が、ぽつりぽつりと顔を覗かせ、それがまた独特の味わいを生んでいる。

2011.08.26(金)
selection:Yoko Hiramatsu
text:Namiko Uno
photographs:Toru Kometani
styling:Yuko Oshima

CREA 2011年5月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

これからを一緒に過ごしたい! 「一生もの」図鑑

CREA 2011年5月号

絶対保存版 使い捨て感覚はもう卒業 
これからを一緒に過ごしたい! 「一生もの」図鑑

定価 630円(税込)