猛スピードで繁茂する雑草との追いかけっこ! 波照間の無農薬農業
そんな中、宿の人に教えてもらったのが、穀物農家の「とんちぇ農園」。フクギ並木が続く小道を自転車で走って、赤瓦屋根の民家へ。大きな声で「ごめんくださーい」。
突然の訪問にもかかわらず、笑顔で迎えてくれたのは西里正善さんと恵美さんご夫妻。
![もちきびやゴマを育てている、とんちぇ農園の西里さんご夫妻。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/2/-/img_5200dccc7fd7b7eb9db1965f0abb2071583987.jpg)
無農薬でもちきびやゴマ、アマランサスなど20種ほどの穀物や野菜を育てて、約20年になるといいます。
波照間島での無農薬農法の何が大変って、除草剤を使わないゆえの日々の草刈り。猛スピードで繁茂する雑草との追いかけっこを繰り広げているそう。アリがあれほど元気いっぱいな島なのだから、雑草の勢いたるや……。
![たわわに実ったタカキビ。生命力が豊か!](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/4/-/img_343befda82dba5cd132af22482fc00e0383291.jpg)
もともとは理科の先生だった正善さんが農業を始めたきっかけは、鼻炎による体調不良から。そして「どうせなら一生、健康なものを食べていきたいじゃないですか。農薬漬けの作物を食べても、ね」と。
とはいえゴマの場合は、手刈りでの収穫→乾燥→脱穀→水洗い→乾燥と、かなりの手間。そんな作業を効率よくしてくれるのが、正善さんの発明品ともいえる手作りの農耕具です。
![機械をいじっていると、少年のような正善さん。ハードワークな中に楽しみを見つけているもよう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/e/-/img_ce9a4a0a202e4520bbbc1fb9261f538b471956.jpg)
足踏みミシンを改造したふるい機、自転車のタイヤを活かした脱穀機など、「捨てれー」と恵美さんに言われたものも、何かに使えるかもと再活用。「こんなことして遊んでる」と、楽しそう。
![波照間のお土産として人気の、雑穀。もちむぎ180グラム500円(島の売店にて)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/6/-/img_96c7e16a46fd77dda215cd41610cd1ad475658.jpg)
そしてご夫妻の小気味よい愉快な会話からも、作物への愛情や二人仲良く丹精込めて育てている様子がうかがえます。
次回の波照間での宿題は、断層の見学と泡波の購入。少しやり残したくらいが、再訪の理由にもなって、ちょうどいいのかもしれません。
![星空観測タワーには行けなかったけれど、ハウス美波さんの星空撮影会で撮ってもらった一枚。波照間の星空を背景に記念写真! いい思い出!](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/5/-/img_e58f9223e7b20565f739afd4477e1416488916.jpg)
波照間島
●アクセス 石垣空港から石垣港離島ターミナルへ車で約25~40分。そこから小型高速船なら約60~70分(西表島の大原経由の場合は約80分)、フェリーなら約90分
●おすすめステイ先 ハウス美波
http://minami85.sakura.ne.jp/
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Column
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2022.12.03(土)
文・撮影=古関千恵子