横川さんと遠山さんのお弁当を拝見

遠山:さて、そろそろお弁当の話を。今回の「シェア」というお題は、どういう思いで選ばれましたか?

横川:僕は料理は好きなんですが、どちらかというと食べるのが専門なので、お弁当はあまりつくったことはないんです。それで、今回の企画を聞いたときに最初に浮かんだのが、「お重」。僕にとってのお弁当はおせちやピクニックに持っていく特別なものなんです。それに、僕はあまりひとりでご飯を食べないし、食卓を囲んで食べ物や食べ物についての話を分かち合うのが好きなので、テーマは「シェア」にしました。

遠山:今日はどんなお弁当ですか?

横川:僕らはいつも、「見る楽しみ、つくる楽しみ、食する喜び」をテーマにお店をやっています。それでうちの料理長に相談して、「シェア」では、つながりや関わりやすさが大事だと思ったので、日本の究極のフィンガーフードを持ってきました。名付けて「秋の収穫、輪ごみ弁当」。

遠山:(お弁当を見て)へー、かーわーいーいー。これ、このままDEAN & DELUCAのケータリングになりそう。

横川:手毬寿司です。スモークサーモン、小鯛の酢〆、ローストビーフ、椎茸を煮込んだものを具にして。あとは、ぎんなん、里芋、イチジク、ブドウなど秋の味覚やモッツァレラ入りのライスコロッケを添えました。山に行って、カゴにきのこをとってくる感じをそのままに。それから、うちのスパークリングワインも一緒に。

遠山:私のほうは、テーマが「シェア」ということで、今日のおいしい教室では、ほかの人のお弁当もシェアして食べるから、普通のお弁当のようにいろいろつくって来なくていいかな、と。また、うちの商品部に赤福好きの女の子がいて、めっちゃ詳しいんですけど、その赤福みたいに分けて食べるのはどうかと考えて、名付けて「へらきんとん」をつくってきました。

横川:おー!

遠山:さつまいも、カボチャ、緑豆の「へらきんとん」です。さつまいもと緑豆には少し米飴を足しましたが、砂糖は使わず、自然の甘さのままです。きんとんの下には栗ごはんを赤福の餅のように小分けにして並べてあります。これをつくっていたら、この業態もやりたくなった。

横川:商品化したくなりますよね。その気持ち、わかります。

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2013.11.15(金)
text:Rika kuwahara
photographs:MIki Fukano / Nanae Suzuki