日本で二集落のみが受け継ぐ日本三大古代布

◆関川しな織センター(せきかわしなおりセンター)

 山形県と新潟県の県境にある雪深い関川地区。ここでは日本三大古代布のひとつでもあるしな布が集落を挙げて織られている。

 しな布とはシナノキの樹皮を剝いで内皮を績んだ糸で織る生地のこと。シナの繊維は丈夫で水に強く、その昔は米袋や収穫袋のほか漁業にも使われていた。

 梅雨の時期から冬の農閑期までにおよそ20工程を経てやっと織り始められるが、昔は各家で全工程をこなしていたらしい。

 シナノキは全国にあるが、しな布はここと新潟の山熊田、雷(いかづち)集落に残るのみ。

 ざっくりとした独特の風合いで、帯は着物を着る人に人気。現在2名の織り手が毎日製作に励む。

 各種、オーダーも可能でしな織りの体験もできる。

 最近ではUターンし観光業に携わる五十嵐丈さんたちが立ち上げたシナノキを利用したプロダクト「umu」なども注目だ。

関川しな織センター(せきかわしなおりセンター)

所在地 山形県鶴岡市関川222
電話番号 0235-47-2502
営業時間 9:00~16:00
定休日 火曜、冬期(1月~3月)の日曜、お盆、年末年始
https://www.tsuruokakanko.com/spot/476

Text=Akiko Sato
Photographs=Wataru Sato