製作費はノルウェー映画史上最大!

いかだ本体は、バルサ材の丸太を、麻のロープで縛って組み立てたシンプルな構造。その上に置かれた割り竹の甲板を、竹で編んだマットが覆っている。真ん中には小さな船室も備える

 この気宇壮大なるアドベンチャーは、ヘイエルダールの自著『コン・ティキ号探検記』などを通して世界中に伝えられている。が、この航海の間、6人の乗組員が繰り広げたサバイバルのドラマは、あまり知られていない。本作では、そのスペクタクルを迫力に満ちた映像で再現。血に飢えたサメの襲撃、猛威を振るう嵐、生命線たる無線機の故障……、次から次へと巻き起こるトラブルは、男たちの心身を消耗させるも、その一方では仲間の絆をがっちりと固め、人間としての成長を促した。

 息つく暇もないサスペンス、血沸き肉躍るアクション、さまざまな表情を見せる大海原の美しさ、そして男同士の熱い友情、多種多様な要素が詰まったこの映画は、老若男女を魅了することだろう。

 製作を手がけたのは、『ラストエンペラー』や『戦場のメリークリスマス』で知られる英国人プロデューサー、ジェレミー・トーマス。彼は、実に16年という長い歳月を費やして、この一本を完成へと導いた。

 ノルウェー映画史上最大の製作費を投じた本作は、本国で2012年ナンバーワンの大ヒットを記録。また、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされるという快挙を成しとげている。

 劇場の大スクリーンで、この無謀にして痛快な大冒険を見届けたい。

『コン・ティキ』
公開日 2013年6月29日(土)
劇場 ヒューマントラストシネマ有楽町、角川シネマ新宿、渋谷TOEI他 全国公開
URL www.kontiki.jp

(C) 2012 NORDISK FILM PRODUCTION AS

2013.06.28(金)