■作り方

(1) 春キャベツを食べやすい大きさに切ります。レンジで加熱するので、芯に近い厚みのあるところ、太いところは細かく切ってください。唯一の手間はここです。

(2) レンジOKな容器にキャベツを入れて、シラスをのせ、オリーブ油をかけて、水を加えます。フタをしてレンジにかけてください。500Wで4分間、600Wなら3分20秒程度。

(3) レンジをかけ終わった状態。かさが3分の1程度に減っているのわかります? 菜箸などで全体をよく和えたら、もうできあがり。一度味見してください。シラスの塩気でじゅうぶんであればそのままで、もうちょい濃いめがよければ、塩コショウをお好みでどうぞ。

 ごくシンプルな一品ですが、食べ飽きない良さがあります。春キャベツらしい甘みが、シラスの塩気と旨みといい相性で。箸休めにもいいし、白ワインのおつまみにもおすすめです。

 辛いのがお好きなら、ちょっと唐辛子を刻んで一緒にレンチンするのもいいですよ。あるいは完成後、和える前にラー油をひとふりでも。グンとビールとの相性がよくなります。

 私が好きなアレンジは、レンチンした後、割いたカニカマを一緒に和えるというもの。少しマヨネーズを加えて和えてもいいですね。そのままサンドイッチの具にしてもおいしい。

 感覚がつかめてきたら、適当に春キャベツとシラスを詰めて、オイルと水をかけてレンチンしてみてください。もうそれだけでひと品できあがる手軽さ。オリーブ油じゃなくてゴマ油に醤油ちょいなら中華風にもなりますし、海苔をちぎって加えてもいいですよ。
 
 あまったシラスは、すぐ使う予定がなければラップで包んで冷凍してください。2週間を目安に使い切るとおいしくいただけます。解凍せず、そのまま春キャベツにのせてレンチンしてOKですよ。カルシウムを補うのにもシラスはおすすめの食材。ぜひ、お試しください。

白央篤司(はくおう あつし)

「暮らしと食」がテーマのフードライター。著書に『にっぽんのおにぎり』 (理論社)、『自炊力』 (光文社新書)など。現在オレンジページ、メトロミニッツ、ハフポストなどで連載中。料理家としても活動、企業へのレシピ提供などを定期的に行う。
http://hakuoatsushi.hatenablog.com/

Column

白央篤司の罪悪感撲滅自炊入門

料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?

2021.04.10(土)
文・撮影=白央篤司