【違法と知りつつ「やってしまいがち」
続けていると痛い目にあうかも】

 ネットに上がっている写真を自分のブログに勝手に転用すれば、著作権侵害になるとご存知の方は多いのではないでしょうか。

 それでも、わかった上で、周りで誰も捕まっていないし、自分のブログはそんなに閲覧者もいないから大丈夫、そんな気持ちで違法行為を継続していないでしょうか?

 著作権法では、著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの(2条1項1号)と規定しています。

 ネットに上がっているほとんどの写真やイラストは著作物です。

 これらを創作した著作者が存在し、その人たちの権利が著作権法によって守られているのです。

 誰かの著作物をあなたが勝手に転用し、ネットにアップする行為は、著作者の公衆送信権(著作物を不特定多数の公衆が閲覧できるように送信する権利)を侵害する行為です(同法23条1項)。

 著作権侵害の罰則は重く、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれの併科(両方科すということ)です(同法119条)。

 安易に、著作権侵害行為を行ってはいけません。

著作権フリー素材とは

 著作権侵害を回避するには、①自分で撮影した写真を使う、②著作権フリー素材(著作権がないわけではなく、著作者が自由に使ってよいと許可している)を利用する、③クリエイティブ・コモンズによるCCライセンス(著作者が自分の著作物の利用条件などを示している)が付与された画像を、ライセンス条件に従い利用するなどの方法があります。

 SNSへの投稿は、瞬時に世界中に拡散される可能性があります。自分は大丈夫と甘く考えていると痛い目にあいますからご注意を!

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菊間千乃・著 価格:1,400円+税 発行:アスコム

これくらいいいよね? が致命傷に!「会社のソフトウェアをコピー」で著作権法違反!「SNSにデマ情報を流す!」で偽計業務妨害!1人が並んだ行列に数人が合流する。軽犯罪法により拘留または科料が科される可能性あり!…86個の「やってしまいがち」なことを紹介。仕事で、家庭であなたを守る法律の本。

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菊間千乃(きくま ゆきの)

弁護士法人松尾綜合法律事務所弁護士。早稲田大学法学部卒業。1995年、フジテレビ入社。アナウンサーとしてバラエティーや情報・スポーツなど数多くの番組を担当。2005年、大宮法科大学院大学(夜間主)入学。07年、フジテレビ退社。11年、弁護士登録(第二東京弁護士会所属)。19年、早稲田大学大学院法学研究科先端法学専攻知的財産法LL.M.コース修了。紛争解決、一般企業法務、コーポレートガバナンスなどの分野を中心に幅広く手がけている。