この先もゴールを決めず 寄り道をしていきたい

 他人の意見に振り回されることはなくとも、時には自分の力不足を痛感することもある。

 「近々で言うと、舞台『お気に召すまま』。やっぱり、その映像を後から見たりすると、実力不足だったなと感じることはあります。

 でもその時できることをやったつもりではいるので、そこで悔しい、恥ずかしいとは思わずに、“その時の自分は精一杯やっていたんだから”と思うようにしています。

 そうやって自分を認めてあげる才能には長けている気がしますね。ただ自分に甘すぎるだけかもしれないですけど(笑)」

 俳優としてさらなる飛躍を遂げたいま、今後のビジョンが気になるところ。しかしその問いには、一貫して「ない」との答え。

 「やっぱり、目標を決めることがすごく苦手なのかもしれないですね。目標を決めてしまったら、それに向かって歩くことしかできなくなってしまうような気がして。この先も、ゴールを決めずに寄り道をしていきたいという思いは変わりません」

 最近では、韓国でも大人気の坂口さん。海外活動に対する意欲を尋ねてみると……。

 「なんで僕(が人気)……? という思いもありますが(笑)、興味はあります。やっぱり韓国にはパワーがあるし、韓国映画もおもしろい。求められている場所で仕事をするというのは、すごくいいことだとも思いますし。

 ただ僕、韓国語が喋れないので、日本人役でいいなら出てみたいです(笑)」

坂口健太郎(さかぐち けんたろう)

1991年7月11日、東京都生まれ。2010年に「MEN’S NON-NO」の専属モデルとなり、14年に俳優デビュー。近作にドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」、「そして、生きる」(ともに19)などがある。21年には主演映画『劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班』が公開予定。

映画『仮面病棟』

平穏だった田所病院は、ある日突然、ピエロの仮面をつけた凶悪犯に占拠される。一夜限りの当直医・速水(坂口健太郎)と凶悪犯に撃たれて怪我をした瞳(永野芽郁)は、脱出を試みる中でいくつもの不可解な謎に遭遇していく。
https://wwws.warnerbros.co.jp/kamen-byoto.jp/

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完全版【CREA】インタビュー&対談

2020.09.19(土)
文=菅野綾子
撮影=永峰拓也
スタイリスト=檜垣健太郎(littlefriends management)
ヘアメイク=木村チカ(tsujimanagement)

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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