古きも新しきも融合させる 懐の深い場所

 京都が他のどこより厚い歴史の積み重なりを感じさせるのは、常に新しいものを受け入れてきたからだ。新奇なものは徐々に馴染んで呑み込まれ、いつしか京都の伝統へと姿を変える。

 京都市京セラ美術館の広大な展示スペースは、古今が同居する京都の良さを実地に感じられる場でもある。

 「伝統」のほうを請け負うのは、リニューアルを機に設けられた常設のコレクションルーム。近代以降の京都の美術の名品に、いつでも触れることができる。展示替えのタイミングが、四季に合わせて年に4回あるというのもいい。

 3,700点を超えるコレクションのなかでも、近代日本画の大きな流れを形づくる「京都画壇」の作品群は、質量ともに圧倒的だ。

 新しいアートが観られる空間も、負けじと存在感を放つ。敷地東側に建てられた新館のワンフロアを占める「東山キューブ」は、現代アートやアニメ、ファッションなどジャンルを超えた最先端表現の拠点となる予定。

 開館記念の杉本博司の個展は、真新しい室をいっそう清涼にするような展示で、今後の使われ方の指針になりそう。

 北西エントランスの地下1階には、「ザ・トライアングル」が設けられた。

 小さめのスペースながら、新進のアーティストが発信をする拠点として、最も尖った表現に触れられる場となる。

鬼頭健吾スペシャル・インスタレーション
「ghost flowers」「untitled (hula-hoop)」

会期 開催中~2020年9月6日(日)
会場 「ghost flowers」:北西エントランス1F(ザ・トライアングル上部)、「untitled (hula-hoop)」:光の間
料金 無料

文=山内宏泰
撮影=橋本 篤

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