1935年の展示風景が 時を超えて甦る

 北回廊1階展示室で展開されているのは、前身の大礼記念京都美術館が開館時、どんな「最初の一歩」を踏み出していたかを検証しようというユニークな特別企画。

 開館して3年目の1935年春、同館では「本館所蔵品陳列」が開かれた。そこに出品された所蔵作品47点を、今回のリニューアルに際して再度集めて展示しているのである。

 日本画の中村大三郎、洋画の岡田三郎助、京都陶芸界の重鎮(五代)清水六兵衞……。会場を観て回れば、当時最先端・最高峰の表現がここに一堂に集められていたのだということがよく理解できる。

 当時の日本人の美意識までもが、身に沁みて感じられるかのような展示だ。

京都市京セラ美術館開館記念展
「京都の美術 250年の夢 最初の一歩:コレクションの原点」

会期 開催中~2020年9月6日(日)
会場 本館 北回廊1階
料金 1,000円

京都市京セラ美術館

所在地 京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号 075-771-4334(10:00~18:00)
開館時間 10:00~18:00
休館日 月曜(祝日の場合は開館)
料金 コレクションルーム 730円
https://kyotocity-kyocera.museum/

※企画展・別館は、展覧会ごとに料金が異なる
※当面の間は前日までの予約制

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文=山内宏泰
撮影=橋本 篤